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産興商会のブログ

日常での出来事、その他

カスタードクリームの日持ち

2016年11月22日 | 日記

 卵黄・砂糖・牛乳などを煮詰めて作るカスタードクリームはお菓子のほかパン類にも使用されますが、賞味期限を延ばす、あるいは流通による温度変化に対応するのには、日持ち向上剤を使用します。

 洋菓子用の日持ち向上剤には、グリシンを主成分とした製品が良く使用されます。酢酸ナトリウムが主成分の日持ち向上剤はパンに使用され、酢酸ナトリウム・グリシン両方を混合した製品は蒸しパンに使用されたりします。

 グリシンには「焼け」の問題があります。加熱によって焦げ・変色しますので、カスタードクリームに添加される場合は、材料を加熱してカスタードが出来る直前あるいは出来上がってから日持ち向上剤を添加します。生クリームにも使用できますが、溶け残りがないよう良く混ぜ合わせる必要があります。

 クリームを使ったケーキの場合、クリームとケーキ生地の両方に日持向上剤を添加すると、より効果が高まります。日持ち向上剤の種類は1種類で大丈夫かと思います。材料ごとに違う種類のものを添加すると、入れ間違いなどの問題が起こりやすくなるため、使用する添加物の種類は少なく出来れば理想的です。

 

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ウニ味の煎餅

2016年11月21日 | 日記

 海産物の味が楽しめる煎餅・ふりかけなどの商品がお土産店に並んでいるのを見かけますが、海産物を用いて食品に味を付ける場合、細かく切って製品に練り込むだけでは味が出ない場合があります。

 鯛・ハモ・イカ・海老・タコなどの味はどちらかといえば繊細で、濃い味付けをする場合は素材を焼くなどの処理をしたり、他の調味料と合わせて味を引き立てたりします。もしそれでも味が出ない場合は、濃縮されたエキスを使用すると簡単に味付けが出来ます。

 鰹節・昆布などのエキスは良く使用されていますが、珍しいものではウニ・ちりめん・グチなどもあります。魚介のエキスは濃縮されていますので、素材の水分量をほとんど変えずに、少量の添加で味付けが出来ます。カニ味噌エキスを使えば美味しいおつまみが出来るかもしれません。明太子の調味液にも魚介エキスは使用でき、唐辛子・醸造調味料・食塩だけ用いるよりも味が深まります。

 ちりめんエキス・かきエキス・アサリエキスで、簡単な具材入り炊き込みご飯が作れます。具材の味だけでご飯に味を加えるには、調味料と具材の量が必要です。もし魚介エキスで味付けできれば、調味料の添加が少なくなりますので、塩分の節約になるかもしれません。

 

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リン酸塩と品質改良

2016年11月18日 | 日記

 リン酸塩を水に溶かした液体に、生の海老・イカを浸漬すると、保水力により水分を保ち食感が変わるように思います。

 ラーメンに添加する「かんすい」にもリン酸塩が配合されているものがありますが、これは麺に保水性を持たせて、艶を増して茹で延びしにくくさせる効果もあります。

 リン酸塩の目的は、主に品質改良です。リン酸塩は1種類で用いられることはあまりなく、数種類混合された製剤を用いることが多いです。根菜に漬けると変色が防げますが、ハム・ソーセージに用いて肉質を柔らかくすることも出来ます。他に保水性があるものとして、甘味料のトレハロースがありますが、トレハロースには変色を抑制する効果も知られています。

 もし硬い肉を柔らかくするのにリン酸塩を使用したくない場合は、他の保湿性のあるものを用いるか、天然物のパパイヤ酵素などが使用できます。酢豚に入っているパイナップルは肉を柔らかくさせますが、これもパイナップルに含まれている酵素の働きによるものです。パパイヤ酵素は粉末品です。パパイヤ酵素で肉を柔らかくさせたい場合は肉に粉末をふりかけてなじませるか、少量のお湯で溶かして肉を揉み込みすると柔らかくなります。

 

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炭酸ナトリウムの溶解度

2016年11月17日 | 日記

 アルカリ性の物質「炭酸ナトリウム」は、食品添加物のかんすいなどに良く用いられていますが、水に溶けにくい特徴があります。

 炭酸ナトリウムの溶解度は、水温20℃では水100mlに対して29gしか溶解せず、温度が低くなる場合は、さらに溶かせる量が制約されます。

 炭酸カリウムなど、炭酸ナトリウム以外の原料が混合された粉末かんすいは、炭酸ナトリウム単体よりも溶けやすくなります。そして(濃度の濃い、ボーメ30~35度)液体かんすいを作っても、溶け残りは出ないです。冬季に液体かんすいが、まれに(氷砂糖のように)結晶するのはたいていナトリウム成分によるもので、液体かんすいの冬季の保管は、なるべく気温の高くなる場所をお勧めしています。そして、かんすいメーカーは結晶が出にくくなるように配合を工夫しています。

 一部のお店では、炭酸ナトリウム100%配合の粉末かんすいが販売されていますが、もし捏ね水に溶かして溶け残りが出る場合は、お湯に溶かすと綺麗に溶けると思います。

 

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ある日常の会話(その40)

2016年11月16日 | 日記

 食品添加物をご購入いただいているお客様の工場へ、お伺いする機会があった。

 弊社担当K「こんにちは。おたく様の工場は、いつも整理整頓されていますね。食品原料とか食品添加物は、隅の倉庫に保管されているのですか?」

 工場長「作業の邪魔にならないように、必要な分だけ出して作業するようにしているよ。夏場と冬場、気温が異なるので、うちでは冷蔵庫に何でも保管している。。。」

 弊社担当K「冷蔵庫は温度が一定に出来るので保管には良いですね。寒い地域では、外気温より冷蔵庫の中の方が温かいと聞いています。冬場は気温がゼロ度以下になって、添加物が凍ったら不具合が出るものもありますので、冷蔵保管はお勧めです。」

 工場長「そしたら、やっぱり何でも冷蔵庫に入れといた方がいいのかなぁ。。。」

 弊社担当K「乳化剤を使った製品は、凍らせると乳化が壊れて使えなくなりますので、冷蔵保管が向いています。でも、液体の添加物の中には、冷蔵すると成分が結晶して不具合が出るものもあります。添加物によって保管条件は異なります。」

 工場長「どこで見分けたらいいの?」

 弊社担当K「食品添加物のケースラベルに、保管条件について記載されています。特に、何も書かれていない場合は、冷暗所保管(直射日光の当たらない、火の元から離れた場所)で良いとおもいます。もし、ご不明な場合は、お尋ねください。」

 弊社の液体かんすいは、アルカリ成分を精製水に溶かして作ったものだ。アルカリ成分の種類によっては冬季に結晶しやすくなるものがあるので、結晶しにくいような配合比にする必要がある。少し原価が高くなるけど、品質には代えられないなぁ。。。

 

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