さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

怪しいフィリピンパブ 場末の酒場放浪記

2017年12月03日 | 

 私は「ババ専」なのではないか、と疑う読者の方も多いと思う。いやそもそも読者自体が少ないだろうけれど。とりあえずこのブログでは、ババーの出てくる率が高い。少子高齢化の進行をはるかに上回る状況である。なので今回は若い女の子の出てくる、フィリピンパブ体験記の話をしよう。

 ここは中央線沿線、ひと昔前には「田舎」だったが、今や高級住宅地。駅前には店がぎっしり。目につく看板は日本中にはびこるチェーン店の居酒屋。私が入る店は、一本路地裏に入り、古くからやっていて値段は庶民的で、きちんとその店で調理した料理が出てくるところだ。その日はひと回り年下の青年と飲んでいた。日本酒をだいぶ飲んだので、2次会には静かなバーにでも入ってゆっくりと飲みなおすか、と外に出た。

                 

 駅とは反対側に向かって路地を進むと、だんだん暗くなって怪しい店が見えてきた。バー、スナック、なんとも形容し難い変な店、ドアが閉まっているとどんな雰囲気だかわかりゃせん。その一番奥に、いくつもの国旗が並んだ看板で「多国籍パブなんとか」という怪しさ100%の店があった。階段を上がった2階の奥。「逃げるときに大変だな」などと考える。

 連れの青年は「さきち・さん、ここにしましょうよ!様子を聞いてきます!」と元気いっぱいで怪しい巣窟に入っていった。おそらくは俺が払うと思って、一番危なそうな店に入ってみたいのだろう。するとすぐに出てきて、「40分3000円ポッキリだそうです!」と嬉しそうに階段の上で留まっている。降りて来ないってことは、入る気満々。ホントにポッキリのはずねんじゃねーの、とか言いつつも好奇心には勝てない私は階段を登ってゆくのであった。

 怪しいおっさん(おそらく店長)に導かれ、広い店内に入ってゆく。他に客は誰もいないようだ。ガラガラだとちょっと不安が高まる。奥のソファーに座ると、すぐに超ミニ(立っていてパンツ見えそうなレベル)のフィリピンお嬢さん2人が俺らの横に座った。40分3000円で飲み放題(つったってロクな飲み物じゃねーが)だが、お嬢さんたちも「飲んでいいですか~♪」と聞いてくる。そいつらが飲むと一杯1000円だそうだ。「いえダメです。飲みたいなら自腹でどうぞ」なんて言う人はいるのでしょうか。彼女らはおそらく歩合給に加算される飲み物を頑張って飲み続ける。こちらのお支払いはなかなかの値段になるのだ。

 2人の客に、2人の女性が隣に座るので、自然にそれぞれが会話をすることになるのだが、こちらの女性、驚いたことにほとんど日本語は話せない。あちらの女性もその様子。どうやって接客するの?英語を話してみると、目がキラリと光って、堰をきったように話を始めた。ちなみに連れの青年は英語を話さないので、会話は成り立たず「カラオケ!」と誘われて何やら歌を歌っていた。

 ちなみに働く女性同士では、プライベートな会話はしないことになっているらしい。なのでお互い全然知らない同士なんだって。そんなもんなのでしょうか。

 こちらは身の上話が始まった。フィリピンの田舎から借金をして働きに来ていること。昼はビジネスホテルのベッドメイキングをしているが、その時給1000円では借金を返して実家に仕送りをすることはできず、夜にはこの時給2000円のパブで働いているということだった。客に1杯せびれば数百円が歩合で入る、なんて聞くと哀れでしらけるではないか。

 ほぼ40分、つらい異国生活の愚痴を聞く羽目になり、時間になると店長が「延長なさいますかぁ~」と聞いてきた。あの~、俺のほうが払ってほしい状況なんですけどー。



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