Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 73(染付竹文七寸皿)

2020-07-26 20:10:47 | 古伊万里
 古伊万里の世界の大先輩であるDr.kさんのところで、自分で修復された松竹梅文鉢が紹介されています
そででワタシも便乗してウチで一番のブチ割れというか大傷物を紹介したいと思います。

「染付竹文七寸皿」


寛文期に良く見られる見込みの外側に陽刻が施されたタイプの品で、この品の場合は波頭文が陽刻されています
見込み部分にはこの時代の品らしい濃い目の染付で竹文が描かれていますが、なかなか上手い構図だと思います。


この時代の陽刻は鋭いことで知られていますが、この品もくっきりとした陽刻で、そこそこ良い土が使われているようです


裏面を見ると良くわかるように、四つに割れたのをうまく接着していいます
恐らく近世に割れたものだと想像されますが、幸いにして欠けがなかったことで、このように原型をとどめています。
この品は地元の骨董祭りで十数年前に買ったもので、ブチ割れにも関わらず3万円を超える立派なお値段が付いていました
交渉の結果安くしてもらいましたが、今なら買わないかも知れません。

さて、この品ですが同じ品が英国のバーレーハウスの所蔵品にあり、この時代の品が欧州へ輸出されたことを物語っていますが
研究によると、当時VOCの船員が私的に持ち込んだものであろうという結論に達しているようです。
ちなみに、骨董の世界で「ブチ割れ」というのは、完品だったら名品という品に使う言葉のようで
そういった意味では、この品などは「ブチ割れ」ではなく、単なる大傷物かも知れませんね。