梅雨も日本の自然を味わうとなるとしめやかに濡れての感じがいいのだが、豪雨、雷雨、不意の落滴ではその情緒を味わう余裕などない。
突如の曇天からの落雷に不安になる。そして、コロナ感染者は1300人、予想どおり第5波の増殖がハッキリと出てきている。感染者が減っているときにはメディアでは楽観論を口先から垂れ流す連中が出まくっている。そして政府はよくやっている感を演出する。
医者でも科学者でもない私の予想が的中するのは、検査、隔離をしない状態が続くから。第一波収束中に2波増殖、2波収束中に第3波増殖、こんな結果なんだから第4波、第5波についての予想などまともな頭を持っている人なら誰でも想像できることである。
こんな簡単な原因と結果についてシビアに報道しないから、忙しい現代人は一時的な収束だけで笑みを浮かべてしまい、植木等じゃないけれど「そのうちなんとかな〜るだろう♪」の楽観論にもたれかかってしまうのである。
この繰り返しを見ていて私の憂鬱は嫌な梅雨状態の中で脳の奥底でカビのように広がっている。
ところで昨日観たレオスカラックスの作品「汚れた血」に愛のないセックスをすると死ぬー感染症が流行り抑える抗体を作った製薬会社から盗み出す主人公の愛の彷徨が描かれていた。35年前のヌーベルバーグ作品でジュリエットビノシュの魅力が輝いている。
そして今のコロナ感染状況にこの作品は色褪せない。
不思議なことに思念は通底して別の作品にも描かれていた。村上春樹のIQ84の後半を読んでいる私には殺し屋青豆の目に2つの月が見え、ジュリエットビノシュの2つの目にそれぞれ月が、青豆の涙が止まらない、ビノシュの涙も止まらない。
この異界の世界を描いている作品に引き込まれている私には今の日本はまさしく異界である。
詭弁、罵声、偏狭、抑圧、嘲笑、揶揄の埃があちこちにふわふわと遊泳している。しかし映画、小説のファンタジーはかけらもない。深い憂鬱だけの世界だ。
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