旦那は英語が苦手です。
世の中に溢れる英語で書かれた店の名前も、時に、間違って覚えてたりします。
例えば、ジーパン販売店 「Right on」。
彼は私と付き合うまで、ずっと、「リジット オン」
──だと思っていました。
それから、ネットサイト 「Google」。
少し前まで、「ゴーグル」
──と読んでいました。
まぁ…英語が苦手な人の典型的なローマ字読みですね…。
そんな旦那も、以前に比べ疑問を持つようになりました。
その疑問は、“○○は英語でなんというのか”というものです。
私は以前から、英単語でも日本語の意味でも、ふと浮かんだ疑問には辞書を引く事にしてます。ってか、引いちゃうんです。
小説を書いてると、つなぎの言葉とか表現の言葉が気になって調べちゃうんですよね。
でも、旦那は今までそういう疑問さえ浮かぶ事がなかったんです。
これはきっと──レポートの提出だけとはいえ──勉強している成果とでもいうのでしょう。
その旦那がちょうど1週間前の「危険なアネキ」を見ていたときの事。
「“アネキ”って英語でなんていうの?」
──と聞いてきました。
「英語では、兄弟は“brother”、姉妹は“sister”ってくくられるけど、姉とか妹とかを区切る時は…確か…“○○ sister”っていう風に付属の単語が付いたはず。“big sister”みたいに…」
──と、自分もその付属の言葉が思い出せず、二人揃って辞書を引きました。
結果、くっつくのは“big” “elder” “older”という言葉でした。
そうそう、そういや“elder” “older”がノーマルな付属言葉だ…と思い出し、納得したのですが…。
その直後、ブツブツと呟いていました。
旦那 「dangerous sister…dangerous older sister……」
どうやら、「危険なアネキ」を英語に直しているようです。
旦那 「デンジャラスって言っても、別に危なくないがやなぁ?」
私 「ほら、それは天然で何をしでかすか分からないから危険っていう意味でさ…。オセロ
の松嶋みたいなものだって」
旦那 「ふぅ~ん」
──と納得した次の瞬間、旦那が急に笑い出しました。
私 「何?」
旦那 「…い、いや…(笑)」
私 「何よ…? 何がおかしいの?」
旦那 「…デ──」
私 (デ…?)
旦那 「dangerous honey 」
私 「うちのことかいっ」
──ってか、ハートはいらんな、ハートは。