コエトオトからはじまる

コエトオトが発信する、発見と創造のブログですコエトオトのパフォーマンスをお見逃しなく!

芝居『妖怪たち』、再び告知

2007-11-15 11:59:45 | お知らせもの



来る12月14日(金)と15日(土)に
早稲田大学小野記念講堂で上演される
秋浜悟史の遺作『妖怪たち』について、
すでにこの【朗読もの】の11月3日分でお知らせしております。

お読みいただけましたか?

訂正がひとつあります。
入場料ですが、14日15日いづれの回も
すべて\3000です。
お詫びして訂正いたします。

シンポジウムのある14日(金)15時~の回は、
かなり客席が埋まってきているようです。
「金曜日じゃないと都合がつかない!」という方はお早めに、

「秋浜悟史を鎮魂する会
 TEL&FAX 03-3536-2053

までお問い合わせくださいませ。


『妖怪たち』、、、その死の3ヶ月前に、50年来の芝居仲間である
久保まづるか、伊藤惣一に書き遺した戯曲。
一座結成への想いを絶ちきれない者たちが、
妖怪となって蘇るのだが、、、

               (『妖怪たち』チラシより)


生前お会いできなかった秋浜悟史にようやく「会える」。
そう思って私も楽しみにしています。



色川武大を読む

2007-11-12 20:58:51 | 朗読あれこれ
「これ読んでみてください」と渡された色川武大のエッセイ、
その名も「墓」。
1975年5月「話の特集」掲載
『怪しい来客簿4 幽霊がスタスタスタ』からの作品です。

色川氏の叔父、そして父親が主人公なのですが
家族や親戚を愛情込めて描いたもの・・・というよりは、
先祖、血統、系図、係累にこだわる虚しさばかばかしさについて
“墓”をキーワードに、半分フィクションかなぁ
と思える家族のエピソードが語られています。

墓を守ろう、代々伝えようとすればするほど
その無意味さが露呈し人は落胆する。
過去の何かを手繰り寄せることよりも
いま自分がここに在るということ、
それがすべてじゃないかーーー。

本はそう云っているようでした。

色川武大・・・阿佐田哲也ですからねぇ。
その家族なんて一筋縄ではいかないだろうと思ってましたが、
そこに書かれてある叔父さんや父親の表情は
何だか愛嬌があってかわいらしいんです。
叔父さんなんか、死んでからも家にやってきますから(笑)。
父親は2度も自分ちの墓に“裏切られる”し、
自分の父を偲ぼうと大企画を立てても間抜けな結果になってしまうし。

どうやら色川氏のお爺さんは豪快だったようで
「祖父の生き方は創造性に富み、大振りで、ダイナミックに失敗を重ね、
 自分も周辺も目茶目茶にした」人らしい。
何となく「阿佐田哲也」とかぶりますね。
一方、その息子となる父親は軍人、叔父さんは銀行マンというお堅さ。
意外です。

あれ、色川武大ってこんな作風でしたっけ?
と思うくらいやさしい作品。
なかなか手に入らないと思いますが巡り逢えたら
読んでみてください。



ところでうちに1冊、色川武大の文庫本がありました。
写真の「引越貧乏」(新潮文庫)。

アタシなんぞ
「はい、どうも失礼しました」と這々の体で逃げるような
凄みと奥深さのある話が七つ載ってます。
こちらも手に入れば是非。



風邪を味方に

2007-11-10 18:28:55 | 朗読あれこれ


少々ハードスケジュールが続いて、案の定風邪をひいてしまった私。
私の風邪の特徴は喉の痛み。リンパの腫れ。
あぁ、来た来たって感じです。
加えて今回特に肩と背中の痛みが際立ってます。特に肩。
ず~んと重いのです。
熱はないのでしんどくはないですが、念のため病院へ行くと
(私ってスグ病院へ駆け込んじゃうんですよね)
先生はひと言、「お疲れですね」

たしかに。

そんなこともあって
『女性のからだの整体法』(七つ森書館)という本を読んでいますと、
風邪は万病の元とよくいわれますが、整体では風邪は
からだの「弾力性を回復」させ、からだを新しく整えてくれる効用がある、
と書かれていて目を引きました。

簡単に紹介しますと、
風邪はからだのどこかを働かせすぎて偏りができたときに起こるものである。
偏りとは、からだが弾力を失って硬くなった状態で、
そこで風邪を引いて弾力を回復する。つまり、風邪の経過は、
からだの偏りを解消して元気になるプロセスである。
ガンや脳溢血になる人たちには、風邪も引かないという人が多い。
風邪は他の重大な病気を防ぐことに役立っている。
・・・というのです。

ちょっと驚きでしょう?

よく読むと、背骨や骨盤の弾力がない硬いからだは
回復力が落ちていると。
からだが柔軟であれば、根を詰めた後ですとか緊張が続いた後には
気が緩んで風邪をひきます。でもそれは自然な流れで、
風邪をひいたあとには、からだが新しくなっていると考えるそうです。

ふむふむ。

大病をしないためにも、抵抗力をつけておくためにも
からだの弾力性って大事なんだ。

あくびをしたり、伸びをしたりと、私たちのからだは自然に治癒しようと
勝手に動くときもあります。
具合がよくないなぁというときは、自分のからだに与えてない“ご褒美”を
考えて施さなきゃいけませんね、自戒の意味も込めて(^^;



朗読するには朗読のみならず

2007-11-08 23:59:18 | 朗読あれこれ


このブログ【朗読もの】では、筆者・ちょこの独断と偏見で
朗読に興味がある人に知っていただければ良いのでは・・・
と思うネタを書いております。

ずずっと読んでいただいて
「このネタのどこが朗読と関係あるの!?」
と瞬時思われるものもあるやもしれません。

が、拙者ちょこの経験からして
朗読するということは勿論、字面を追って作品を紹介してゆく
だけではなく、
朗読者ひとりひとりから滲み出てくる
作品への愛情や捉え方を発信してゆくのも醍醐味だと思いますので、
豊かに滲み出してゆくためには
あんなこともこんなことも見て知って感じていただいた方が
面白いかなぁと、ただそれだけなのです。

私自身が柔軟な形の朗読が好きなもので。
朗読者も、朗読する場所も、演出も。

そんなことで、広い心でこの【朗読もの】をお読みいただければ
幸いです。

あ、もちろんネタの好き嫌い、
取捨選択は皆さんにお任せします(笑)。




観てます、コロンボ

2007-11-06 23:59:19 | はしやすめ


♪デアゴスティーニ

こう歌って、あらゆるジャンルの趣味の心を揺さぶる
シリーズ発売の雑誌を御存知ですか?

世界遺産、蒸気機関車、古代文明、
昭和タイムズ、ハーレーダビッドソン etc.
「へぇ~、まぁよく色んなシリーズを考えるなぁ」
などと感心していました。
週刊だったり隔週刊だったりで発売されるので
少しずつ、でも確実に定期的に新しいものが届く
楽しさがあるのでしょうか。

なぁんて傍観していた私ですが、
遂に購入してしまった・・・

それは『刑事コロンボ』のDVD。
既に3作発売されて手に入れています。

昔、家族でテレビシリーズを観てました。
コロンボの風体や抜け目のない捜査ぶり、
「いやカミさんがね」というあの口癖など懐かしい懐かしい。
小池朝雄さんの声に打ち震えています(笑)。
もちろんピーター・フォークの声で字幕で観ることもできますが
やっぱり私は小池朝雄さんの吹き替えが一番しっくりくるのです。

DVDに解説書がつくので、『刑事コロンボ』の裏話などを
知ることもできてまた楽し。
デアゴスティーニの思うつぼですね(笑)。

時間枠のためTVではカットしたシーンも入っていて
後付けのためそこだけ声優さんが違っていたりとか、
1作目のコロンボの髪型は七三だったりとか、
日本では有名な刑事コロンボのオープニング曲は
実はアメリカの「NBCミステリー・ムービー」全体の
テーマ曲だったとか、
(だからこれまでの3作であのテーマ曲を聴けてないのが残念)
発見が多いのも嬉し。
やっぱりデアゴスティーニの罠にはまってますね(笑)。

今日発売の3作目は、映画『激突!』を発表する直前の
24歳のスティーブン・スピルバーグ監督で、
そのカメラワークに流石と思わせるものもあったりして
3作とも古さは感じられません。
ま、コロンボのキャラクターあってこそ、なんですけどね。

さて、つづきはどんな作品がでてくるか。
覚えている回などあるかしら。


舞台『妖怪たち』

2007-11-03 23:30:18 | お知らせもの
鬱屈の劇作家・闊達な演劇教師
秋浜悟史の没後3年に供える

そんなキャッチフレーズが踊る
秋浜悟史の遺作『妖怪たち』がいよいよ
東京公演を行います。


と き;2007年12月14日(金)15時~
            15日(土)15時~、18時~
ところ;早稲田大学小野記念講堂
出 演;久保まづるか 伊藤惣一 ほか
入場料;\3000 (入場料を訂正しました。いづれの回も\3000です)


合計3回のみの公演です。
14日(金)の公演のあとには、つづけてスペシャルメニューとして
「秋浜悟史研究」と題したシンポジウムも
17時~18時半の予定で開催します。
シンポジウムはこの1回のみです。

チケットのお申し込み、お問い合わせは
「秋浜悟史を鎮魂する会」(高野勇さん)
TEL&FAX 03-3536-2053 まで。


伊藤惣一氏からさんざん話をうかがいながら、私は
結局お目にかかることはなかった秋浜氏。

早稲田大学在学中に「劇団自由舞台」に在籍、その後
岩波映画社を経て、関西に移り、
大阪芸術大学舞台芸術学科長、兵庫県立宝塚北高校演劇科科長、
兵庫県ピッコロ劇団代表などを兼ねる。
また滋賀県の知的障害者厚生施設において
演劇による教育に人力した。

              ~『妖怪たち』チラシより抜粋~

という履歴をお持ちで、すなわち
演劇によって人を育ててこられた方だと私は受け取っております。

彼が書き残したこの遺作には、
「これは演劇論じゃないか、と思う台詞がたくさん出てくるんだよ」
そう、伊藤惣一氏はいいます。


さてさて秋浜氏を鎮魂しようとする企画によって
私たちが秋浜氏に魂を揺すぶられそうな予感が・・・


シンポジウムのパネリストのひとり、
別役実氏は、秋浜氏のデビュー作が『英雄たち』で
遺作が『妖怪たち』であることをとりあげて曰く

“もしかしたら「妖怪」たることを自ら受け入れることによって
 演劇人は「英雄」なのである”

とコメントされてます。
むむむ。

秋浜作品、ご一緒に体験しませんか?


旬を味わう

2007-11-02 00:05:55 | はしやすめ


できるなら香り高い新そばを
美味しい蕎麦屋さんで食べたい。
そんな季節です。

旬の食べものをその時期にいただければ
こんな幸せなことはありません。

・・・と思っているとお土産をいただきました。
いやぁ、催促したみたいですみません。
越中富山の薬売り・・・ではなく(笑)、
打ち粉生そばです。

そばを自分の家で茹でる場合、茹で加減が肝心ですよね。
私はそばは断然「もり」派。
うまく茹でられるかなぁ。

そば粉を打ち粉としてたっぷり使ってあるようなので
茹でたあとの湯は、そば湯になるようです。
とろみの強いのが私好みですが、どうでしょうね。

では、いただきます。



『漱石夫妻 愛のかたち』

2007-11-01 00:46:10 | 朗読あれこれ


今年は何かと漱石づいていますね、このブログ。

漱石づいているものですから、調子にのって
漱石の門人・松岡譲を父に
漱石の長女・筆子を母にもつ
松岡陽子マックレイン氏が書いた新刊、
『漱石夫妻 愛のかたち』をご紹介します。
人間・夏目漱石をうかがい知るに大変役に立つものと
思われます。

思うに、家族がいて子孫が繁栄するということは
かけがえのないものですね。
漱石は6人もの子どもを持ちますが、
(7人いましたが、末っ子の雛子は夭折しています)
謎に包まれ今となっては想像するしかないケースの多い
世界の文豪の中で、漱石のように遺伝子が受け継がれ
今に生きているということは、彼の文学を補うところ大!
本当に素晴らしいと思います。

漱石の思い出を綴った作品は多いようですが、
『漱石夫妻 愛のかたち』の場合、
作者の母親が、漱石の長女であることから
子どもの中で漱石と一番長く暮らした時間をもつ母・筆子から
鏡子夫人はじめ夏目家のさまざまな話をきいたであろうと
想像しますし、もちろん作者自身、漱石亡きあととはいえ
祖母・鏡子夫人との思い出も数多く、
また作者が、アメリカで長く過ごされていることによって
海外から冷静に漱石のことを見つめることができているのでは
という期待もあります。

さてさて、ご興味のある方は
『漱石夫妻 愛のかたち』(朝日新書) \700+税
をお手にお取りくださいませ。

ちなみに夏目漱石についてくわしいわけではない私でも
数々のエピソードに笑ったり感心したりしながら
明治男・夏目金之助に興味津々でございます。