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『漱石夫妻 愛のかたち』

2007-11-01 00:46:10 | 朗読あれこれ


今年は何かと漱石づいていますね、このブログ。

漱石づいているものですから、調子にのって
漱石の門人・松岡譲を父に
漱石の長女・筆子を母にもつ
松岡陽子マックレイン氏が書いた新刊、
『漱石夫妻 愛のかたち』をご紹介します。
人間・夏目漱石をうかがい知るに大変役に立つものと
思われます。

思うに、家族がいて子孫が繁栄するということは
かけがえのないものですね。
漱石は6人もの子どもを持ちますが、
(7人いましたが、末っ子の雛子は夭折しています)
謎に包まれ今となっては想像するしかないケースの多い
世界の文豪の中で、漱石のように遺伝子が受け継がれ
今に生きているということは、彼の文学を補うところ大!
本当に素晴らしいと思います。

漱石の思い出を綴った作品は多いようですが、
『漱石夫妻 愛のかたち』の場合、
作者の母親が、漱石の長女であることから
子どもの中で漱石と一番長く暮らした時間をもつ母・筆子から
鏡子夫人はじめ夏目家のさまざまな話をきいたであろうと
想像しますし、もちろん作者自身、漱石亡きあととはいえ
祖母・鏡子夫人との思い出も数多く、
また作者が、アメリカで長く過ごされていることによって
海外から冷静に漱石のことを見つめることができているのでは
という期待もあります。

さてさて、ご興味のある方は
『漱石夫妻 愛のかたち』(朝日新書) \700+税
をお手にお取りくださいませ。

ちなみに夏目漱石についてくわしいわけではない私でも
数々のエピソードに笑ったり感心したりしながら
明治男・夏目金之助に興味津々でございます。