先日「詳細後日」といった「鰻屋」こと藤井猛のエピソード紹介を兼ねた人物伝を少々。
発端は2年ほど前の将棋界の月刊誌「将棋世界」での下記のコメント(robiheiの記憶の部分もあり、完全に正確ではない、為念)、「将棋世界」は、要はサッカーにおける「サッカーマガジン」みたいなものです。
(藤井)「最近は居飛車党でも四間飛車を指す人が増えましたが、言って見れば何でも出すファミレスみたいなところで鰻まで出しましょうって感じで指されているわけです。それがまた結構うまいんだ、我々振り飛車党にない感覚で味付けされてたりしてなかなか良い訳。でもこっちは鰻しか出さない鰻屋だからね。ファミレスの鰻には負けるわけにはいかない。」
このコメントについて若干補足すると、振り飛車、その中でも四間飛車(飛車を本来の場所から左から四間目に振って指す先方)は昔からよく指されている戦法であり、嘗ては大山康晴十五世名人なども得意中の得意にしていたポピュラーなスタイルである。
また、アマチュアが比較的たやすく指してみることができるという利点もあり、広く一般の支持を得る戦法としても非常に有効に機能しているともいえる。
しかし、プロの中では「居飛車党」「振り飛車党」という表現があるように、振り飛車を得意とする棋士は、それなりに専門性の高い職人的な存在と見られるのである。
その中でも四間飛車「藤井システム」にその名を冠する藤井猛は専門職中の専門職。かつて棋界No.1を羽生善治と争っていた当時の谷川浩司からストレートで竜王位を奪取、そのまま3期保持したという経歴もある。
上記のコメントで「ファミレス」と呼んでいるのは多少ニュアンスにミスマッチがあるが、羽生・谷川・佐藤康光・森内俊之などの基本居飛車党の棋士が裏芸・余技として四間飛車を指すことが近年多くなっていることを指している。
僕の感覚的な言い方だと「鉄人が作る料理は和洋中何でも美味しい」というニュアンスが一番正しいと思う。要は「野田岩」藤井と「ロブション」羽生の鰻料理対決って感じですかね。で、そういう意味では老舗鰻屋を支持する声は結構大きい。
で、ここから先日の棋士紹介の軌道修正のコメント。何と「藤井システム」はトップ棋士の間では「絶滅危惧種」扱いされているそうな。んなバカな?と思いつつ先月今月の将棋世界を改めて見ると、要するに羽生森内佐藤あたりのTOPクラスを敵に回したことで、システムのデバッグ作業を短時日に進められてしまったらしい。
そういえばここ1・2年、かつて竜王戦のピーク時に煌いていたふてぶてしいまでの落ち着き、そして中終盤での「ガジガジ流」と言われる独特のカナ駒(金銀のこと)を使って喰らいつくしつこさがやや翳って、ともすれば先日の順位戦のような着地失敗で、「終盤のファンタジスタ」などと揶揄されるような状況に陥っているとか・・・「ファンタジスタ」(=終盤で勝ち将棋をへぼな手で落とすような指し手を「やっちゃう」人の意味)の度合いは、序盤中盤での構想力基盤の脆弱性と連動している気がしてならない。
しかしまだ藤井はトップクラスの地位を保っている、来期A級では順位6位、竜王戦1組在籍。藤井システムの減価償却後の残簿価で生き永らえている側面があるかもしれないが、改めて羽生ファンから見ても歯軋りしたくなる位ふてぶてしくて強い鰻屋の復活を望みたい。
発端は2年ほど前の将棋界の月刊誌「将棋世界」での下記のコメント(robiheiの記憶の部分もあり、完全に正確ではない、為念)、「将棋世界」は、要はサッカーにおける「サッカーマガジン」みたいなものです。
(藤井)「最近は居飛車党でも四間飛車を指す人が増えましたが、言って見れば何でも出すファミレスみたいなところで鰻まで出しましょうって感じで指されているわけです。それがまた結構うまいんだ、我々振り飛車党にない感覚で味付けされてたりしてなかなか良い訳。でもこっちは鰻しか出さない鰻屋だからね。ファミレスの鰻には負けるわけにはいかない。」
このコメントについて若干補足すると、振り飛車、その中でも四間飛車(飛車を本来の場所から左から四間目に振って指す先方)は昔からよく指されている戦法であり、嘗ては大山康晴十五世名人なども得意中の得意にしていたポピュラーなスタイルである。
また、アマチュアが比較的たやすく指してみることができるという利点もあり、広く一般の支持を得る戦法としても非常に有効に機能しているともいえる。
しかし、プロの中では「居飛車党」「振り飛車党」という表現があるように、振り飛車を得意とする棋士は、それなりに専門性の高い職人的な存在と見られるのである。
その中でも四間飛車「藤井システム」にその名を冠する藤井猛は専門職中の専門職。かつて棋界No.1を羽生善治と争っていた当時の谷川浩司からストレートで竜王位を奪取、そのまま3期保持したという経歴もある。
上記のコメントで「ファミレス」と呼んでいるのは多少ニュアンスにミスマッチがあるが、羽生・谷川・佐藤康光・森内俊之などの基本居飛車党の棋士が裏芸・余技として四間飛車を指すことが近年多くなっていることを指している。
僕の感覚的な言い方だと「鉄人が作る料理は和洋中何でも美味しい」というニュアンスが一番正しいと思う。要は「野田岩」藤井と「ロブション」羽生の鰻料理対決って感じですかね。で、そういう意味では老舗鰻屋を支持する声は結構大きい。
で、ここから先日の棋士紹介の軌道修正のコメント。何と「藤井システム」はトップ棋士の間では「絶滅危惧種」扱いされているそうな。んなバカな?と思いつつ先月今月の将棋世界を改めて見ると、要するに羽生森内佐藤あたりのTOPクラスを敵に回したことで、システムのデバッグ作業を短時日に進められてしまったらしい。
そういえばここ1・2年、かつて竜王戦のピーク時に煌いていたふてぶてしいまでの落ち着き、そして中終盤での「ガジガジ流」と言われる独特のカナ駒(金銀のこと)を使って喰らいつくしつこさがやや翳って、ともすれば先日の順位戦のような着地失敗で、「終盤のファンタジスタ」などと揶揄されるような状況に陥っているとか・・・「ファンタジスタ」(=終盤で勝ち将棋をへぼな手で落とすような指し手を「やっちゃう」人の意味)の度合いは、序盤中盤での構想力基盤の脆弱性と連動している気がしてならない。
しかしまだ藤井はトップクラスの地位を保っている、来期A級では順位6位、竜王戦1組在籍。藤井システムの減価償却後の残簿価で生き永らえている側面があるかもしれないが、改めて羽生ファンから見ても歯軋りしたくなる位ふてぶてしくて強い鰻屋の復活を望みたい。