徒然なるままに~のんびり、ゆったり、こまやかに

猪突猛進型の60代。そして卵巣がんですっ転んで8年。目指すはのんびり、ゆったり、細やかな生活!無理かなー(#^.^#)

「ねむれないの?ちいくまくん」ー大人と子ども考ー

2015-03-12 08:14:15 | 絵本・児童書 今日の一冊

「ねむれないの?ちいくまくん」
マーティン・ワッデル作 バーバラ・ファース絵 評論社

「ねむれないの?ちいくまくん」(評論社)という絵本をご存知ですか?
ほら穴に暮らす、おおくまさんとちいくまくん。
夜、暗闇が怖くて寝つけないちいくまくんを
何とか寝つかそうと奮闘するおおくまさん。
ちいくまくんが寝たら本を読もうと思うのですが、
1,2ページも読むか読まないうちに
「眠れないんだよ」とちいくまくんに呼ばれてしまいます。

ちいくまくんが「ほら穴の中が暗いよ」というので、
3つもランプをともしてあげたおおくまさん。
でもちいくまくんは「まだ暗いよ・・・」と言って寝つきません。

遂に意を決したおおくまさん、
ちいくまくんの手を引いてほら穴の外に出ます。
外は満月の夜。そして満天の星。
抱き上げたちいくまくんに「もう暗くないよ」と声をかけた時、
腕の中のちいくまくんは静かに寝息を立てていました。

そしてほら穴に帰ったおおくまさん。
片手にちいくまくん、
そしてもう片方の手に本をもって
「やっとやーっと、おわりまで」読み切ることができました。

というお話です。

おおくまさんとは「おとな」の、
ちいくまくんは「こども」のシンボルとして描かれているこの絵本、
読む年代によって、ちいくまくんに心よせるか、
おおくまさんに心よせるかが違ってきます。

保育者を目指している20歳前後の学生に聞くと
「おおくまさん」派と「ちいくまくん」派はほぼ半分。
時には両方という学生もいます。

この時期、学生たちは子どもの世界と大人の世界に片足ずつ突っ込んでいるのでしょう。
保育所や幼稚園での実習を終えて帰ってくると、
多くの学生はおおくまさん派になります。

子育て中のお母さんたちにこの絵本を読んだとき、
「もちろん、おおくまさん!」との答えがほとんど。
時には「どうしたら、子どもが早く寝てくれるか!」なんて言う談義に花が咲くこともあります。

あるとき、この絵本を50歳を過ぎた女性が集まる会で読ませていただいたことがありました。
そうしたら「おおくまさん」派が多い中、
「でもね、わたしこの頃ちいくまくんだっておもうことがよくあるわ」と話された方がありました。
すると「そういえば、わたしもだわ」という方が次々とあらわれ、
生涯発達の軌跡はちいくまくん→おおくまさん→ちいくまくんかもしれないと
その場が大いに盛り上がってしまいました。

かく言う私、この本に出会ったときは3人の子育ての真っ最中。
わたしは絶対おおくまさん派でした!
あまりに私そっくりな状況に、この本を抱いて寝たいと思ったほどです。

だって、子どもって、いつも私が何かしようって思ったり、はじめると、
必ずといっていいほど、ぐずったり、病気になったり・・・。
どれだけ大人を食い尽くせば気が済むんだ!!
と、鬼のような思いにとらわれたことが何回あったことか!
ごめんなさい。子どもたち・・・。

それから30年の歳月が流れ、
ふと気づくと
私のなかにはいつのまにかちいくまくんが頻繁に顔を出すようになりました。
今、60代も半ばになった私は、かなりの部分がちいくまくんになっています。

「なんでも思う通りになるって思っているんだよなあ・・・」(夫のつぶやき)

そんなこと言われるって「心外!!!」と思いつつ、
いままでちょっぴりおおくまさんやり過ぎちゃったからかもしれない・・・、
その反動で、とばっちりを食っているのは「夫}??
なーんて思う今日この頃でした。


(おまけの一言)
マーティン・ワッデルはイギリスの方です。
この本を読みながら、
日本人の私は、あんなにちいくまくんが眠れないって言っているのに、
なんですぐに抱き上げてあげないんだろうと思ったのも事実でした。
文化の違いかなあなんて思いました。

それともう一つ。
「覚悟を決めて、子どもと向き合わないと子どもはいつまでも
『眠れない、眠れない』と言い続けるんだということ。
誰かが「気持ちと、手」をかけないと育たないのが子どもなんだと
再認識させられた本でもありました。

(参考までに)
この作者と画家のコンビで「ぐっすりおやすみ、ちいくまくん」もでています。
「ねむれないの?ちいくまくん」の続編の一つです。
ちいくまくんが、どんなふうに成長したのか・・・、面白いなって思いました。





 

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1 コメント

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お邪魔します♪ (はーちゃん)
2015-03-14 17:16:37
あかね雲さん こんにちわ^ ^
こちらにも さっそくお邪魔します。^ ^

なるほどなるほどーと思って読みました。
やはり専門家さんのお話しはとても興味深いです。

私も13才、7才、5才、0才の孫がいますので最近の絵本にはご縁があります。

絵本といえば私は アンドレ ダーハン?さんが好きで孫が来た時のために何冊か家にあります。


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