徒然なるままに~のんびり、ゆったり、こまやかに

猪突猛進型の60代。そして卵巣がんですっ転んで8年。目指すはのんびり、ゆったり、細やかな生活!無理かなー(#^.^#)

小さな子どもの大きな心遣いー子どもってよくわかってるー

2017-02-26 18:31:25 | 二世帯同居
その日、子どもたちの母親は
ボロボロになって帰ってきた。

いつもだったら、「ただいま」の声がして、
着替え終わると2階でジジババと留守番をしている
子どもたちを迎えに来る。

ところが、階下で人の気配はするのだが、
一向に二階に上がってくる様子がない。
気になった私は下を見に行った。

そしたら子どもたちの母親は、
「もう、今日は食べられない。
おふろにはいって寝るわ・・・」と、
一人でお風呂に入ろうとしていた。

こんなこと初めてだ。

まあ、どうしちゃったのと思ったが、
この日、会議がいくつもあること、
だから遅くなるかもしれないとは聞いていた。

私は急いで二階に戻り、
子どもたちを連れて下に戻った。

「あとは大丈夫」だからと、
子どもたちの母親は言う。

本当に大丈夫かと思ったけれど、
それを信じて「ではお休み!」と、
私は2階に戻った。

次の日の朝、出勤途中の子どもたちの母親から
以下のメールが入った。

「本当に何から何までありがとう。
昨日はお布団敷くのを子どもたちが手伝ってくれました。
毛布を面倒くさいから羽毛布団の上に置いていたら、
子どもたちは 自分たちで中に取り込んでいた。
私が寝てたら自分たちもトイレを済ませて寝てました。
親にも子にも頼りっきりだね....
がんばります!」

子どもたちもいつもとは違う、
疲れ切った母親を感じ取ったのだと思う。
そして、全く母親を頼ることなしに、
「トイレ行ったの!」なーんて叫ばれなくても、
ちゃんと自分たちのするべきことをして、
布団も整えて、寝たということだ。

よくわかるんだなって、ちょっぴりホロっとした。

自分自身が共働きを始めたのが
子どもたちが大きくなってからだった私は、
娘のように、小さい子どもを抱えて
共働きをするということの大変さを
娘の生活を通して学んでいる真っ最中。

子どもたちは母親の危機的状況は
ちゃんと分かるのだ。
言葉も発さずに、黙って体を動かして協力する。

保育園の4歳児と、小学一年生の男児二人。
普段はウルトラマンとして、
思いのままに生きていることも多い。

ところが、この日はウルトラマンを返上、
というか、真のウルトラマンになったというか・・。
子どもってあったかいなって思った。

それから数日後。
鬼の霍乱といおうか、あろうことか
私は出先で、嘔吐下痢で倒れ、
やっとのことで家に帰ってきた。

そして、ベッドで休んでいると、
保育園から帰ってきたウルトラマン2号が
「おばあちゃん、これ持ってきたよ。
シャーシャン(小さな兎のぬいぐるみ)と、
トトロ(彼の一番のお気に入り縫いぐるみ)と
一緒に寝てると寂しくないよ。
貸してあげるから一緒にお布団に入れてね。」と
いつも可愛がっているぬいぐるみを
私の布団に入れてくれた。

「ありがと!やさしいのねえ」というと、
「あのね、トトロだけは僕が下に戻るときに
連れて帰るけれどいい?寂しくない?」とのこと。

「大丈夫。シャーシャンがいてくれるから」(私)

「じゃあねー!」といって2階の居間に戻っていった。

それから、15分後、ウルトラマン1号が
小学校から帰ってきた。

「ただいまー。大丈夫??
2階にいるからね、なんかあったらいってね」とのこと。

ずっと忘れていた、幼い子どもたちの大きな心遣いを
久し振りに思い起こした2つの出来事でした。

そうそう、子どもたちの母親がまだ2歳だった頃、
思わずうたた寝をしている私に
毛布をそーっと掛けてくれましたっけ。

オニの居ぬ間の楽しみ、今は昔ー夫の1週間の不在あれこれー

2017-02-21 09:15:18 | 団塊世代夫婦の一コマ
「じゃあ、いってくるね!」(夫)
「いってらっしゃーい!
夏をたのしんできてねー」(私)

そう、夫は先日1週間ほど家を空けた。
といっても、リタイアの身、出張ではない。
なんと古稀記念旅行 in Australia !

高校時代の友人たちと、
オーストラリアに移住している友人のところへ!
高校3年X組というこのクラス、
クラス会は頻繁にやっている。

2,3年前には、九州は柳川に住まわれている
クラスメイトのアレンジで
柳川を訪ねる旅なんていうのもあった。
ともかく、よく集まっている。

今回もこの流れで、
オーストラリアに来いという友人がいて、
日本側でそれをアレンジする人がいて、
そして、それに乗っていきたいという人がいて、
決行と相成ったという。

そして気づいてみれば、
今年は夫たちは古稀の祝いの年。
そうだ「古稀記念旅行だ!」と、
乗りに乗ったという次第。
最終的に10数人の大所帯に!

こうして、「行ってきまーす!」となった。

うわーい!!一人だ!!
オニの居ぬ間にいろいろやろうっと!!
好きにしようっと!

と、出張の時は思っていた。
羽を伸ばせる、食事も適当でいい・・・。
楽だーー!! 
(ここで一言。
だからと言って、夫がいるときに
手の込んだ料理などを
作っているわけではないのだけれど・・)

ところが、今回は今までにないことが・・・。
夫が1週間いないってことは??
あれっ、洗濯は?、ゴミ出しは?
ウルトラマン(孫)の保育園お迎えは?
ムサシ猫のトイレ当番は??

と、いくつものことが頭を駆け巡る。
洗濯機のボタンはどう押したっけ?
ゴミ出し、ちゃんとまとめられるかしら?
ウルトラマンのお迎えに間に合うように
仕事きり上げなくちゃ。
トイレ当番、面倒くさいなあ・・・。

ふと気づいた。
ここ数年で随分、夫に担ってもらうものが
増えていたんだなって。

私、出来るかしら??
なんて、今まで考えたこともなかった
不安が頭をよぎる。

えー、ほんとうにできるだろうか。
もう、一人で楽チンなんていっていられない。
一週間、孫のこともみながらできるのかしら??

洗濯の一連の流れ、
洗ってから干すまでも、
すべて夫任せになっていたことに気づく!

ああ、威張り暮らしていた私、
どれだけ今はおんぶの生活だったんだろう・・って。

おまけに、あろうことか、
「一週間か、ちょっと寂しい!」なんて、
結婚41年目にして初めて味わう感情
(ごめん、夫殿・・・)まで、出てきて・・。

私としては、元気に送り出したものの、
送り出す2,3日前から
ちょっとしたパニックになっていたのです。

けれども、、、
ふたを開けてみると・・・、
入試があったりする週で、
さらに保育園の実習巡回もあり、
結構忙しいうえに、
ウルトラマンのお迎えがあるので、
自分に使える時間が3時半までと決まっていたので、
あの心配はどこへやら、
何とか、日を送ることができた。

夫の完全定年からそろそろ5年。
二人で台所に入っていても、
お互いにいちいち指図しなくても、
阿吽の呼吸で動けるようになっていたんだって、
気づいたこの1週間だった。

そして、威張り暮らしている私ではあるけれど、
ほんとに夫におんぶしていることを実感し、
今頃になって二人で生活を創っていってるんだって
思ったのでありました。

もちろん、夫が帰ってきても
一瞬でも「寂しい」なんて思ったことも、
本当にいろいろ助けてもらっていることを
有り難く思っている、ありがとうなーんていうことは
口に出せず・・・、
「おかえりー」の後に口をついて出た言葉は
「おみやげはなーーに??」。

「ありがとう」の言葉は、
こうして夫には聞こえないところでしか言えない
相変わらず強情ッパリの私なのでありました。



ヨシタケシンスケ作「もうぬげない」を楽しむ!

2017-02-12 12:04:05 | 絵本・児童書 今日の一冊
ウルトラマン1号(小学1年生)と過ごす朝の30分。
2世帯で同居して11か月。
ウルトラの母は7時過ぎに出勤。
ウルトラの父とウルトラマン2号は
7時30分に保育園に向かう。

その7時30分から登校時間の8時まで、
彼は2階のジジババスペースで過ごす。

この30分の過ごし方、
この1年、実にいろいろ変化してきた。
そして今は、1号とババとの
「掛け合い読書タイム」で落ち着いている。

この日のセレクション。


 ヨシタケシンスケ「もうぬげない」ブロンズ新社

この本、MOE主催の絵本屋さん大賞第1位。
ちなみに第2位は同じ作者の「このあとどうしちゃおう」

 
 ヨシタケシンスケ「このあとどうしちゃおう」 ブロンズ新社

ヨシタケシンスケさんの作品はなかなかだ。
この間、懇意にしている児童書専門店
「ハックルベリーブックス」にお邪魔した時、
1号や2号と楽しめそうと思って手に入れた。

「もうぬげない」は
2,3歳の子どもによく起こる出来事。

この絵本、
「ぼくの ふくが ひっかかって ぬげなくなって
もうどのくらい たったのかしら。」ではじまり、
「・・・パジャマが ひっかかって きられなくて
もう どのくらい たったのかしら。」で終わる。

あらすじはこうだ。

男の子が、お風呂に入るとき、
お母さんが、急いで脱がそうとする。
そのとき上着が首に引っ掛かってしまう。

男の子は「ひとりで ぬぐから だいじょうぶ!」といって
一人で脱ぐべく奮闘する。
その間、「このままずっと脱げなかったらどうしよう・・」
という気持ちと、「脱げなかったら脱がなきゃいいんだ!」
という気持ちの間を揺れ動く。

その気持ちの表現は、
「やっぱり おかあさんに ぬがせてもらって、
おフロに はいろうかな・・・」
「いや!! でも くやしいから じぶんで ぬぐ!」
といった具合だ。

そして、結局脱げない。
男の子はつぶやく。
「・・・・やんなきゃ よかった・・・・」
「もう おしまいだ・・・」

というところで、ガラッと引き戸が開いて、
お母さんが現れる。
あっという間に、ポイ、ポイ、ポイと服を脱がされ
おフロの中に。

男の子は思う。
「・・・けっきょく いつも おかあさんの いいなりだ」と。

そしてパジャマを自力で着ようとするが・・・、
「・・・パジャマが ひっかかって きられなくなって
もう どのくらい たったのかしら。」
で、終わる。

この男の子、巷では「イヤイヤ期」といわれる
2歳児を彷彿とさせる。

でもこの「イヤイヤ期」という言葉、
私にはずっと違和感があった。

今ではお母さんの中に知れ渡り、
2歳児の年齢近辺のお母さんたちは、
この言葉を連発する。
「イヤイヤ期」だから仕方がない、
「イヤイヤ期」で本当に困った・・等々。

私も少し前までは、
こんな風に「自分で!」を連発する時期に入った
子どもたちを持つお母さんたちに、
「これは、自立の初めの一歩だから、
基本的には喜ばしいことだけれど、
ほんと、たいへんよねえ」などど、
お母さんに寄り添った風な発言をしていた。

でも、この絵本に出会って、考えてしまった。
そうだ、子どもの気持ちってどうなのかって。
そこを丁寧に救い上げているのが、
作者のヨシタケシンスケさんだ。

「一人で脱ぐからだいじょうぶ」と
言ってはみたものの悪戦苦闘する。
その悪戦苦闘の一生懸命さが、
短いつぶやきに乗せられている。

「やんなきゃ よかった」「もう おしまいだ」
その男の子の焦りや後悔は二本の曲線に、
それを上から腕組みをして見下ろす母親の視線。
どんな言葉よりそこに描き出された線がものを言っている。


<ヨシタケシンスケ「もうぬげない」裏表紙

母親たちはいうことを聞かなくなった子どもたちを
「こまったちゃん」といってみたり、
「イヤイヤ期ってまったく」なんていうけれど、
子どもたちは、全身全霊で、自分でしたいという気持ちと、
そこまでの実力はまだないという現実との乖離を
生きているのだと思わされる。

ほんと、ここでも子どもは一生懸命、そして哲学的!

ところで、その時期を終えた1号は
その場面をユーモアととらえて
楽しんでいた。

二人はいろんな気持ちをもって笑いながら、
どんな風にも楽しめるこの絵本を
この1週間必ず一日1回は
読んでいるのでありました。


団塊世代祖母がドラゴンボールスタンプラリーに参加すると・・・(*_*;

2017-02-04 13:11:37 | 子どもとおとな
この1月から2月にかけて、
JR主催の恒例のスタンプラリーが開催されている。
今回のテーマは「ドラゴンボール」。

毎回このスタンプラリーを楽しんでいる
階下のウルトラマン一家。
さっそくウルトラの父が
スタンプ用冊子をゲット。

それを聞いた私、ウルトラの祖母も
密かにこの冊子を手に入れた。

ある日、ウルトラの父は午後休を取った。
1日間有効の乗り降り自由の都区内パスを使って
スタンプを集めるという。
つまり40回近く電車を乗り降りするということ!
そのとき、ウルトラの祖母は、
図々しくも自分のスタンプ帳もお願いした・・・。

ドラゴンボールはウルトラの父の世代も楽しんだ。
今はその子どもの世代が楽しんでいる。
ウルトラマン1号(小学1年生)の
放課後クラブでの最大の楽しみは
ドラゴンボールを読むこと!

ウルトラマンたちは毎日のように
ウルトラの父が押してきたスタンプを眺めていた。

そんなある日、
ウルトラの祖母は千葉の柏に行くことになった。

柏には「ハックルベリーブックス」という
児童書専門店がある。
毎年、学生と一緒にここを訪れ、
店主である児童文学研究家の奥山恵さんの
小さなレクチャーを受ける。

柏に行くのなら、そうだ、スタンプあつめよう!
そう思った私は、ウルトラの母に相談し、
ウルトラマン父子のスタンプ帳を預かった。
ウルトラマンたちは
「柏に行くなら、松戸とか、北千住とか、
我孫子も近いよ」という。

「何言ってんの!おばあちゃんはその度に
電車を降りてスタンプ押さなきゃいけないんだから、
今回は柏だけよ!」(ウルトラの母)

「・・・・、もしも大丈夫だったら
押しといてね」と、ウルトラマンたちは
ウルトラの母のいないところで一言。
「できたらね。柏だけは任せて!」(私)

そして当日。柏駅に着いた。
さっそく駅員さんに
「スタンプラリーのスタンプはどこですか?」と聞いた。
「あ、それはこの正面にあるみどりの窓口の
横手にありますよ」と駅員さんは
右側を指さしながら言った。

私は、言われたとおりに歩いて行った。
あった、あった、スタンプ台だ。
よし、押すぞ!!と、
丁寧に力を込めて
ウルトラ父子のスタンプ帳に押した。
私にしては上出来。
綺麗に押せている。
柏駅ってちゃんと入っているし・・・。
と、意気揚々と待ち合わせをしていた
学生のところに戻った。

そのスタンプを見た学生、
「先生、あのー、ドラゴンボールのスタンプ台って、
左手の方じゃないですか?ほらあそこ!」(学生)
みると緑の窓口の左手に、もう一つスタンプ台が!

「えーっ、じゃあ私が押したのは何?」(私)と、
叫びながらよく見ると
「柏駅」と書いてあるではありませんか!
これは単に「柏駅」のスタンプだったのだ!

駅員さんは、なんで私をドラゴンボールの方に
導いてくれなかったんだろう・・・。
ああ、きっと、私が高齢者だったからだ。
まさか、高齢者がドラゴンボールとは思わなかったのだろう。
せいぜい、駅の記念スタンプと思ったのかも・・・。

と、モニャモニャ思いながらも
あわてて、ドラゴンボールのスタンプ台に走った。
ここのキャラクターは「ジャコ」。

そうだった。
スタンプはキャラクターのスタンプだったのだ。
そんな基本的なことすら、頭からすっ飛んでいて、
私は「スタンプ」ということだけで、
「柏駅」スタンプを押してしまったのだ。
どう考えたって、間違いに気づきそうなのに、
なんとウルトラマン父子全部のスタンプ帳に
それを押してしまっても、まだ気づけなかった。

ああ、もう遅い!
スタンプを押す場所は残されていない・・。
そうだ、私の手帳に数だけ押して、
それをあとで上から貼ればよいか・・・、
と悩んでいると、
一人の学生が、「私、A4の白紙持っていますよ。
これだったら白いから綺麗だと思います」

なんという優しい助け舟。
有り難く申し出を受けて、押させてもらった。
ふーっ、これで何とかなるかなあ。

こんな間違いしでかすなんて、
自分でも自分が信じられない。

でも、その罪の償いってわけではないけれど、
帰りの道すがら、新松戸と松戸駅に途中下車して、
トランクスとミスター・ポポという
キャラクターをゲットした。

家に着くと、ウルトラマンたちが飛んできた。
一号はすぐ気づいた。
柏駅がジャコではないことを。
「あー、もう違うよう!!」(1号)
「そうよね。ごめんね。まちがえちゃったのよ。
でも、ちゃんと貼れるようにしたから大丈夫」(私)

「ちょっと!何言ってるの??
おばあちゃんはあなたたちのために電車から降りて
押してきてくれたのよ。先ず、ありがとうっていうべきでしょ?
言ったの??言わないなんて、おかしい。
それで文句ばっかりって、変じゃない??」(ウルトラの母)
と、ウルトラの母の怒り爆発。

あー、申し訳ないなあ。
老いの間違いで、こんなふうになっちゃった。
でも、あれっ、ウルトラの母、すごいな。
ちゃんと子どもにけじめをつけてる。

全く自分でも信じられないドジ。
それが老いていくっていうことなのかもしれない。
そんな事件の中に、若い学生の機転や、
子どもだ子どもだと思っていた娘(ウルトラの母)の
成長した姿が垣間見られた一日なのでした。