徒然なるままに~のんびり、ゆったり、こまやかに

猪突猛進型の60代。そして卵巣がんですっ転んで8年。目指すはのんびり、ゆったり、細やかな生活!無理かなー(#^.^#)

ぐうたら絵本読み聞かせ

2015-03-04 21:41:57 | フラッシュバック
「ドサッ!」
なぜか絵本が顔の上に落ちてきた・・・。
まだ、子どもたちが眠る前が絵本タイムだった頃のこと。
子どもたちが寝つく前に私の方が寝ついてしまって・・・、
読んでいた絵本が顔の上に落ちてくる・・・。

私が子どもたちが寝る前に絵本を読むようになったのは、
考えてみれば亡くなった母の影響。
母は私がまだ幼かった頃、4つ下の妹と私の間に横になってよく昔話をしてくれた。
「ももたろう」「かちかちやま」「しらゆきひめ」「シンデレラ」・・・。

まだ絵本が今のように溢れていない1950年代半ば過ぎ。
今でいう素話を母から聞いていたことになる。
何回も何回も聞いた。
でも不思議と飽きることはなかった。
そればかりか、その時の光景を今でもはっきり覚えている。
白熱電球の暖かい光の中で母と妹と3人で川の字になっている・・・。
時々母は私たちより先に寝息を立てていることも(なんだか私みたいだわ)。
そんなときは、あわてて寝ようと思ったことも。

ところで、私が母から買ってもらったと記憶している絵本らしい絵本はたった1冊。
「はくちょうのおうじ」というアンデルセン童話の絵本版。
エリサ(私の記憶ではエルザ姫・・・)という王女が
意地悪な継母の王妃によって白鳥にかえられてしまった11人の兄たちを救うお話。
兄を白鳥から人間に戻す条件はただ一つ。
イラクサで編んだ着物を白鳥の兄たちに着せること。
但し、編んでいる間は口をきいてはいけない。
ところがここで思いもかけないことが起こる。
王女は魔女の濡れ衣を着せられてしまうのだ。
しかしそれを釈明するために口を開けば、兄たちを救うことはできない。
結局エリサは口をきかないことを選び、死刑を言い渡されてしまう。
その当日、遂に11人分の着物が編み上がる。
エリサは刑場に連れて行かれる荷車の上から、
彼女のことを心配して空を舞っていた兄の白鳥たちむかってそれを投げる。
すると魔法が解け、晴れて元の王子の姿に戻ることができたというお話だった。

何回くらい読んでもらったのか今となっては定かではない。
けれど、何回も何回も読んでもらったことは間違いない。
それから50数年以上の年月を経た今でも、
エリサがイラクサで編んだ着物を空に向かって投げている場面はありありと覚えている。
それが家にあった、1冊の絵本だったからかもしれない。

こうして母が素話をしてくれたり、絵本を読んでくれたのはなぜだったのだろう。
今となっては聞くすべもないが、母はときどきこんなことを話していた。
「パパ(母は祖父のことをそう呼んでいた)にお話をしてってお願いすると、
必ずしてくれるお話があったわ。
それはね、『むかしむかし、あるところにながい、ながい、ながい、
ながーい、ながーい、ながーい・・・(延々と繰り返す)
ながーいふんどしがあったとさ。お・し・まい!』」
祖父のそんなことを話すときの母は何だかとても幸せそうで楽しそうだった。
祖父は母が17歳の時に亡くなっている。
私はその話を母から聞くたびに笑い転げたものだが、
祖父のことを母は大好きだったんだなって思ったことも事実だった。

お話をすることや絵本を読むことは
「情操教育」だとか「本好きになる」とか色々言われる事がある。
だから大切だって。
でも、そんな表面的なことではないのではないかしら?と私は思っている。
大好きな人に読んでもらった私たちの心に残るのは、
その原風景といえるようなあるイメージ。
それは時には暖かく、時にはユーモラスに、
そして時には「大人って何ですぐ寝ちゃうんだろう?」という謎であるような。

と、ここまで書いたところで、果たして私は子どもたちの「大好きな人」だったのかしら?
しょっちゅう鬼婆に変身することが得意だったからなあ・・・と、しばし沈思黙考。
あっ、思い出した!私も母が「ツノ」を隠し持っていると本気で思っていた時があったことを。
妹をおんぶしている母は、私が見ていないところでは「ツノ」をはやしているけれど、
私が見る寸前にそれを隠してしまうんだって思っていたなあ・・。

それは又いつかお話しましょう。

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1 コメント

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Re:怖かったです。というのは冗談 (ririe_2014)
2015-03-18 08:40:15
きゅうさま
なんて寝てしまうか?というのは、
子育て中の母親って、一日目一杯子どもたちと過ごしているから、横になったらいつでも夢の世界に行かれる状態なんだと思います(*^_^*) 私もそうでしたf^_^;
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