林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

ハックル・ベリーフィン <読む、見る、聴く>

2010年09月06日 | 教養英語
マーク・トゥエインの『ハックルベリーフィンの冒険』を読んでると、ちょっと前に書きました。私が読んでるのは西田実訳の岩波文庫です。他にもいくつかの翻訳があるそうですが、これが原文となると無料でもっと様々な読み方が可能です。

旅行中にもこの文庫を持っていきました。その中に「おらのジム」(上巻、204ページ)[ジムとは、ハックルベりーフィンが一緒に逃亡する黒人奴隷]、「おらのジャック」という表現があって、いったい原文ではどうなっているのか気になりました。(実をいうと、黒人奴隷制の時代なので人の名前に所有格がついてしまうのだろうか、という疑問もあったわけですが、それは主題ではありません)。旅先ではインターネットも利用できません。ところが、調べることができたのです。

というのは、持っていったiPod touchに原書が収められていたからです。無料で入手した『ハックルベリーフィンの冒険』があったのです。さすがにこの小さなモニターで読書するのは難しいですが、簡単な調べ物くらいならできるというわけです。結論をいうと、「おらのジム」は”my old Jim" で、「おらのジャック」は "my Jack"でした。

もちろん、原文は無料で入手できるわけですから、大きなモニターで読んだり、印刷して読むこともできます。amazonのKindleだとか、iPadで読む人も多いことでしょう。


原書を調べたことには、思わぬ副産物もありました。岩波文庫のなかにはイラストがあまり載っていません。ところが、オリジナルの方には興味深いイラストがたくさん載っていたのです。

たとえば写真は、ハックルベりーフィンが旅の途中で決闘に巻き込まれるシーンです。旅で困っているときに、紳士の家族に親切にもてなされたハックルベリーフィンですが、どうやらアメリカの高貴な紳士というのは勇気があるようなのです。つまりは、敵対する一家との命がけの決闘も辞さないというわけです。その家族の美しい女性、彼らの決闘シーン、および、決闘で殺された少年のためにハックルベリーフィンが涙する箇所の文章を載せておきます。







帰宅後、『ハックルベリーフィンの冒険』のオーディオ版を探してみました。もちろん無料のものです。するとこれも幾つかあるようです。19世紀の英語ですし、しかも南部なまりの英語なのですが、私が聞く分には結構分りやすいものです。また、原文付の朗読本まであるようです。(写真参考のこと)

高校生にすぐに薦められるかというとちょっと厳しいですが、もしこの作品に魅せられる人がいたら、聴いてもらいたいと思いました。大江健三郎は、高校生時代、日本語で読み、さらに英語でも読んだそうです。

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