林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

自民党のTOEFL重視の教育提案について

2013年03月25日 | 教養英語
政府自民党の教育再生実行本部では、アメリカの留学生対象の英語テストTOEFL の得点を、大学受験や卒業資格あるいは国家公務員の必要要件として採用する事を検討していると言う(下記参照)。

日本政府の方針としては、私はこの案は少々馬鹿げていると思う。 TOEFL の英語の試験は、日本人の多くの高校生大学生にはちょっと難しすぎるからだ。例えばある東大工学部4年生(大学院進学予定)によれば、 「TOEIC は800点以上取れたのに TOEFL ならば59点[120点満点]しか取れなかった」のだそうだ。ところが、自民党教育再生実行本部は「特に国際水準の研究を目指す大学を約三十校指定し、TOEFLで七割以上の高得点を卒業要件に要求」(東京新聞) という。

ちょっと英語のできるはずの、TOEIC800点以上の東大生が、たった5割しかできなかったTOEFLの試験を7割取れと言うのだ。自民党案はかなりメチャクチャな提案というべきものだろう。実際、twitterなどでも、まともな人は大いに批判している。

だが、個々の大学生の目的として考えるならば、大学卒業までにTOEFL7割というのは決して悪い考えではない。二つの表を見てもらいたい。TOEFLーTOEICー英検の換算表である。 

表の数字に多少の違いがあるが、この表を見る限り、英検準一級合格者がTOEFL7割を得点するのは、さほどむつかしいことではないことがわかる。

東大京大一橋生ならば、大学受験までには理論上英検準一級に合格できる実力をつけているはずである。そして、英検準一級の実力があるならば、TOEFL7割はあと二歩三歩努力するだけで可能なのだ。東大生ならば、努力してみる価値があるだろう。

TOEFLの成績アップの決めてはあるのか? 私見では存在する。

多くの日本人英語学習者にとって、語彙(ボキャブラリー)を習得すること、リスニング能力を身につけること、東京大学や一橋大学あるいは東京工業大学に合格確実になったからといって、あるいは合格したからといって英語の研鑽を止めないこと、これだけよいのだ。言い換えれば、(1)語彙増強、(2)英語のPODCAST多聴、(3)英語文献と英語ニュースの多読をしっかりやることである。やる気のあるひとは是非頑張ってもらいたい。




参考資料 毎日新聞
「自民党の教育再生実行本部(本部長・遠藤利明衆院議員)が取りまとめた教育改革の第1次提言案が23日判明した。国際社会で活躍する人材の育成を目指し、大学の受験と卒業に英語能力試験「TOEFL」で一定以上の成績を求めたのが特徴。文系も含め大学入試で理数科目を必須とすることも奨励している。近く本部会合で決定し、安倍晋三首相に提出する。夏の参院選公約に反映させる方針だ。

 教育再生の「三本の矢」として(1)英語教育の抜本改革(2)理数系教育の刷新(3)情報通信技術(ICT)教育?を挙げ、改革実現のため「グローバル人材育成推進法」策定を提唱。(共同)」

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