GO! GO! 嵐山 2

埼玉県比企郡嵐山町の記録アーカイブ

嵐山町報道二十周年祝辞 中島元次郎 1970年

2009年05月25日 | 報道
   祝辞 報道二十周年に寄す
             嵐山町議会議長 中島元次郎
 嵐山町報道が発刊されてからここに二十周年を迎えるに当り、心から祝福と感謝の意を捧げたいと存じます。想えば戦後の立ち直りが、まだ混沌として居た、世情の中で昭和二十五年初めて発刊されてより、大きく変り行く社会的條件を常に捕え乍ら二十年と云う、長い星霜をよりよき報道紙発行の為に、日夜分かたぬ懸命の御努力と御苦心を重ねて来られました。当初から現在に至るまでの報道委員の方々を初め、長い期間にわたり尊い資料の提供御意見の寄稿をなされました数多い町民の方々の対しまして衷心(ちゆうしん)より敬意と感謝を申し上げます。
 現在埼玉県には九十三の市町村が有り、その大部分の市町村に於て、何等かの形で広報的な印刷物が発行されて居ると聞きますが、その中で吾が町の発行する報道の様に長い伝統と特殊性を持っているものは、非常に数が少ないと云われて居ります。即ちそのほとんどの広報紙が、その市町村の公的な立場で一方的に行政財政等の面でのみ、そのPRを取り上げて居るのが多いのに対し嵐山町の報道のシステムは町の一般行、財政はもち論の事、時には自由論壇に花を咲かせ、時には古文書等の抽出により、歴史の探究、史跡、文化財の照会等によって、町の過去と現代を結び付け、読む人をして愛郷の念を再認識して戴く効果は大なるものが有ると思います。
 又其の他種々な投稿によって貴重な御意見等が掲載され、いつも紙面に活々とした雰囲気が溢れています。私達は何事によらず自分を取巻く身近な社会をよく知りたいと思う感情が有りますが、このポイントをよく捕らえて発行される吾が町の報道は常に多くの町民から愛され喜んで熟読され、そして是認されて参りました事実は、高く評価され、尊敬されなければならないと共に、今日ここ迄健全な発展をして来た要素がここに有ると思います。今更私が申す迄もなく今や現在の日本の時局は多難を予測される中で政治も経済も思想、宗教、文化等各界いずれの面でも前途に大きな変貌が来る事が感じさせられます。
 こうした国の動きの中に有って地方自治体も大なり小なり、その影響を受けざるを得ません。特に比企広域開発構想の中で重要な位置に有る嵐山町は前途に山積した問題をかかえて居ると云えましょう。この様な時代に当り、過去二十年間常に町の動勢を浮彫にしつつ、いつも町民の指針となって参りました報道の今後一層の御発展と活躍を御期待申上げてお祝いの言葉と致します。
     『嵐山町報道』203号 1970年(昭和45)4月15日


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。