『海と洋』1982年(昭和57)8月20日 編集・発行:小林秀吉
前書き
現在の私の生活圏は現住所東松山市を中心にした近い町村で、どんな意味でも市を代表する人間でも、勿論比企郡、埼玉県を代表する人物でもない。又、そうありたいともしない無名の一市民である。だから人にこうしろとか自分のようにしろとか、倫理規範を垂れる意図も皆無である。更に私如き無名人の自叙伝は、一種の精神的マスターベーションである事も承知し乍ら、敢えてペンを取ったのは、死が近づいた事を感覚する本能的衝動によるものと自覚している。従って之は〝死出の旅〟への御挨拶でもあるので、お世話になった内外各層有縁の方々にだけ差し上げる意図で計画し、そして出版した。
プロの物書きでない私が、忙しい暮しの合間に三年がかりで纏めたものであるから、内容表現法共稚拙である。又ナンフイクションであるから、自分の恥部を隠蔽する心算はないが、他人のプライバシーを侵害する権利はないので、その条件下で記述した。若し事実と相異する内容があるなら、それは記憶力の衰退と資料蒐集不足に由因するもので、絶対に故意図的でない事をご了承いただきたい。【以下略】
目次
第一話 3
ジョセフィンと宇良 3
第二話 13
自由作文 16
第三話 22
Red School-一教室学校 27
第四話 33
お祝い 小林清子 36
鍋糞とKKK 37
第五話 42
雲雀の巣 45
手紙 手塚広次 46
ゼネ拾い業 51
秀 鈴木ヤス 57
第六話 58
白いスーツ 荒井さと 64
初任給五十五円をめざした頃 高橋子之吉 65
古稀有情 屋代広司 66
レッドウドの吊し柿 67
手紙 レッドウド市長 75
第七話 77
神詣で 戸井田さだ 85
古稀を祝う 市原弥太郎 86
二秒の小林先生 玉木宏 86
小林さん古稀お目出度う 穴沢養一 88
活動写真 89
ウエットバック 93
第八話 94
告別の言葉 95
哲っあんの手紙 100
第九話 105
パリのわる 110
第三砂町小学校在勤の頃 中里英夫 120
第十話 122
「あれた生活」の話 (故)関根考三 126
本間権右衛門家の由来 藤田覚典 128
ビー・ジーのぼやき 129
公人が見た野人の私 136
信念を通す大先輩 堀口真平 136
CROSS家との出会い 木村嘉正 137
哲人小林先生とのこと 小久保太郎 138
足跡をさらに大きく 小沢禄郎 139
アメリカでの出合い 関根茂章 140
在野の文化人 芝崎亨 142
「海と洋」の出版によせて 山口敏夫 143
第十一話 145
サムライのHOBO ジョウ 150
第十二話 159
一枚の通知簿から 大滝利尚 163
バイブル床屋 164
第十三話 178
ATTIC-屋根裏部屋-の一夜 178
サカクラ 185
第十四話 186
テキサスのお茶 193
けつ曲がりの弁 202
小林のおじさん 甲野妙子 203
ご挨拶 内藤あさえ 204
お祝い 本間幸子 205
ぼくのおじいちゃん 本間一樹 206
ぼくのおじいちゃん 本間希樹 207
弟の古稀に寄せて 村田ふみ 208
弟について一言 吉田ヨネ 208
第十五話 209
小林先生 根岸一美 215
我武者羅 甲斐弥 216
先生との今昔 酒井友二 217
ロウティション 218
お祝い 大西俊治 229
第十六話 230
(故)田辺慶治先生をしのんで 232
権右衛門家 本間靖 240
第十七話 241
吹雪の夜 247
黄禍 252
第十八話 253
デンマークのハナ子 256
オーデンス市長からの祝辞 267
ハナ子からの手紙 273
第十九話 275
ピープル ツウ ピープル 281
小林君に対する友情の短信 ジェンタイル 287
小林君と私 瀬川泰次郎 288
ホウム スティング 290
トーケルさん 福田状水 291
ホスト ファミリーとして 深沢秋雄 291
小林先生と我が家 伊藤五郎 292
小林先生と私との出合い 小林茂夫 293
家庭滞在 大川浩一郎 295
家庭滞在について 小沢博 296
東秩父教室満八年を迎えて 鶴川次作 296
家に泊まったデンマーク人 馬橋登志子 298
第二十話 299
小さな飛行機の旅 302
自ら教える事に意義を知る 305
私と英語 青木啓子 306
小林英語塾 岩渕渟 307
海外勤務 宮沢信一 307
It's up to you. 嶋宜一郎 309
Tur-chan(ターチャン) 根岸武美 311
小川塾から都幾川塾へ 大沢正美 311
思い出 清水俊男 312
先生のハンカチ 関口正徳 313
シャーリー校長先生 田端裕之 314
前科六犯 富田達彦 315
第二十一話 316
小林先輩と私 塚越正佳 322
もう一人の小林君 山崎秀雄 324
小林君とクラス会 柳下良二 325
P・T・P 林隆而 327
小林先生との出合い 劉濶才 328
祝辞 胡濤静之 329
第二十二話 330
象先生との思い出 小林清作 330
相川の小林先生 安岡俊夫 331
秀吉先生 安岡克巳 332
私の観た小林君 山本洋一 337
非コールド ビスケット 338
お祝い M.サッチャー 341
〝所詮は借物〟では済まぬ 342
雑記録 345
言いてえ放題・やりてえ放題 349
村長・町長と市長 366
弔辞 桑山良演 368
第二十三話 369
ゼネの話 377
あい。おう。ゆう 380
英語仲間 383
英語の道 青木節子 383
英会話サークルの思い出 江野祐一郎 384
祝古稀 福島文 385
英会話 河田弘子 387
小林先生と比企の英語教育 黒崎辰雄 388
小林先生と私 中島芳夫 390
英語グループの思い出 大寺知章 392
第二十四話 394
ASHTONの無言劇 404
カーディングリー看護婦からの手紙 413
第二十五話 414
グランド キャニオンの女 416
英会話講習会とアメリカ旅行 青木裕子 426
第二十六話 428
小林秀吉君の古稀を祝いて 大原儀作 432
サリーの捕虜 433
第二十七話 444
サニイとカイゼル 452
第二十八話 457
ロウズ モア 464
エグゼキューティヴ クラス 470
第二十九話 474
再会 482
フェニックス市長の手紙 488
アーサー大佐の手紙 488
第三十話 490
組曲 カルメン 493
学生時代の戻る 江野暁子 501
英会話教室に学んで 榎本正子 502
英会話教室に参加して 伊藤洋子 502
いつまでもお若く 広瀬ヨウ子 503
新しい町民 三浦絹代 504
英会話教室に参加して 大野菊江 505
英会話教室に参加して 塩見美千代 506
英会話講座 田島明子 506
英会話受講記 塚田清秀 507
学友バブ 508
中島組奨学金会の由来 小林嘉重 509
謝意 510
むすび 512
辞世の狂歌
閻魔君、
答えてもええ 英語なら
娑婆で 咲かせた
うら話まで