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埼玉県比企郡嵐山町の記録アーカイブ

よりよい村にする為の具体的方策(大蔵・金井信久) 1951年11月

2008年09月13日 | 報道・よりよい村にするために 1951年
 画期的な教育制度改革の根幹をなす六三制の実施は、賛否を何れとしても多岐多様の教育資料に依る日々のその学業は往事を回想させ、憧憬の思を禁じ得ない。明朗闊達な生徒の素振りに前途の幸福をひたすら念じている次第である。而して希望科目を専攻的に学ぶ個々の生徒の能力は一様には進まないものと思ひかかる時代の教育者の煩悶も深いものと察せられるのである。そしてこのかく教師と生徒との学業を考へるとき家庭に於ける保護者の頭の切り換へが切望されるのではないかと思ふ。今日各種報道網に依る時代の啓蒙運動も盛んとは言へ、一般がとかく無関心なのが何時も遺憾な問題とされる。たとへ小さな事にも関心を持つやうつとめ、これを実行に移すならば成果は大きな期待を持つことが出来るのではないだらうか。家庭に於ける新聞雑誌への関心もどの程度深いものがあらうか。日々の継続的な経営に原因することもあらうが、結局は自分からの意志が必要なことは論を待たない。ここに私は大衆への慰安として又時代の啓蒙運動として映写会の催を希望して止まない。学校には放送や映画鑑賞会の時間が与えられ社会智識の勉学にその一端を利用して居る由であるが、この方法は村人に対しても有意義なことと思ふ。吾々も既にナトコ映画その他の機会に接して居るが、かかる予算を多くして老若男女それぞれに対し日常生活の詳細な指導や国際的なニュース劇映画等により変転極りない世情を知らせたなら、啓蒙慰安に大きな価値があることと思ふ。映写の事業を多く計画することは、経済的より観て大きな負担になることと思ふが、一部の人々を除いては、常設館での鑑賞が出来ないとしたら多少の費用を出し合ってもこのような事業が望ましいと思ふ。映画に依り時代への認識が深まり希望が開かれて、日毎営々として労を惜しまず、それが人々の楽しみとなれば、一日一日何か気持のみでも新しく感じさせられるやうになるのではなからうか(報道委員、23歳)。
     『菅谷村報道』17号(1951年11月10日)掲載


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