齢仙寺雑記帳

滋賀県にある臨済宗妙心寺派のお寺、齢仙寺の日々のお話

もったいない

2017年12月01日 | 今月の言葉
ご来訪ありがとうございます。

寒くなって参りましたが

お風邪など召されませんよう、

ご自愛の程、祈念申し上げます。


早いもので、あっという間に

一年の終わりの月を迎えました。 


気の利いた師走らしい言葉とも思いましたが

かねてより気になっていた言葉

「もったいない」をとりあげました。


どうしても、この言葉はエコの3R

Reduce(削減)、Reuse(再利用)

Recycle(再資源化)

更に一つ Refuse(辞退)を足して

4Rと関連付けられて語られたりすることが多く、

それはそれで大切な事なんですが、

ちょっと観点をかえてみることも

必要かと思って取り上げました。

宜しければご覧ください。







今月の言葉

「もったいない」

この言葉は日常生活の種々の場面で

多様な意味合いに使われる。

二○○四年のノーベル平和賞受賞の

ケニアの環境副大臣ワンガリ・マータイさんが

世界共通語として提唱された「MOTTAINAI」で

注目を浴びたが、漢字で書くと「勿体無い」である。



この語のもとは「物体無い」であるという。


意味は「物のあるべき姿・本質的なもの、

揺るがない実体」が「無い」。

つまり、

全てのものは支え合い、関係しあって、

縁起の上で成り立っているということである。

そうであれば、そのような関係性の中での

「今、ここ」は

「有る事難し即ち有難い(ありがたい)」

ということになる。



結果、この語は一般的に使われている

無駄や浪費を反省・指摘する語

という事もさることながら、

「今、ここ」の万物の存在に対し

畏敬と感謝、時に慚愧・懺悔の念を

表す言葉であるとも云える。



六十年ほど前の私の幼少期。

その当時の超高齢である

八十歳を超えたあるご老人が、

何事につけても朝から晩まで、

絶えず口癖のように

「もったーいない」「もったーいない」と

繰り返し繰り返して念じておられたのを

今も鮮明に思い出す。



お知らせ

十二月九日 午後一時 
  齢仙寺成道会・法話会
     布教師 池田織隆師

十二月三十一日 午後十一時四十五分
  除夜の鐘


平成二十九丁酉師走



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