らむ茶の独り言

ロックとノンアルコールビールと田舎暮らしを愛するガーディニング野郎の勝手な独り言。

モクレンの木に

2012年08月12日 14時38分31秒 | 日記・エッセイ・コラム
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庭のモクレンの木にセミの抜け殻を発見。この田舎でセミは珍しいわけではないが、庭の木にセミの抜け殻となると話は別。セミは10年ぐらい地中で暮らしてから羽化の為に地上に出て来る。その10年ほどの間モクレンの木の周りは自然の状態が変わらなかったという事になる。しかしまさか庭の木からセミが生まれるとは。無農薬を貫いた結果かはたまたただ放置していただけの結果か。

モクレンの生えてる周りはオレが都落ちした時に整地したもの。それまでは数トンもある巨石がゴロゴロと庭に転がっていた。祖父母の代にわざわざ取り寄せたモノらしいが何しろ狭い庭に巨石をいくつも置くものだから邪魔でしょうがない。祖母が他界して住んでいた離れを解体する時に一緒に撤去してもらった。それでようやく玄関前に車を置く事が出来る様になった。ついこの間の事の様に思っていたがもう10数年も経つんだな。

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こちらは同じモクレンに巣を作っていたキジバトのヒナ。巣から離れて枝に止まっていた。巣立ちも間近なのだろう。キジバトは実はあまり良い印象が無い。スズメにまいたエサをバクバク食ったりしておふくろは苦々しく思っていた。庭にいる所を見つけるとナナとタムタムが猛ダッシュして追いかけたりしていたが、彼らはその庭のモクレンに巣を作っていた。毎日アホウどもがうろついているすぐ近くに巣を作ったという事は逆にそこが安全と思ったのかも知れない。カラスとかやって来ないからね。そう、ウチの庭にはカラスがあまり来ない。アホウどもが威嚇になってるのかも知れない。

都会暮らしがイヤになって都落ちして早10数年が過ぎた。町はずいぶん変わった。一時景気が上向いた様な感じもしたが小泉構造改革以降は転げ落ちて行った。地元資本は次々と消えて中央資本が進出。しかし雇用の場はまったく生まれないから地元経済は底冷え状態。30代の非正規社員は珍しくない。どころか主流は非正規なんじゃないかな。そして今回の大震災。さらに2年後の消費税増税。

モクレンの木の周りには忘れていた自然の姿が戻っていた。この木の下には愛すべきアホウどもが眠っている。そうだよなあ、もう10数年も経つんだから。彼らはそんなに長生きが出来ない。あの頃庭を走り回っていた彼らはみんなモクレンの舌に眠っている。そして今その上を走り回る新参者のトイ君。そういう姿を眺めながらノンビリと暮らしたいと思って都落ちして早幾年。スローライフを維持するのも楽じゃない。

地元の大地主(と言われていた)の自宅が取り壊されて更地になった。売りに出されたというウワサだが本宅を売りに出すという事は言われてるほどには経済的には余裕が無かったという事なのかな。固定資産税もバカにならないしなあ。なまじ土地なんか持ってると。

この10数年は衰退の一途だった我が町。高齢化と少子化が進む。そりゃそうだよな。若い連中はみんな外に出ていくし残った連中は中央資本のチェーン店の非正規社員しか雇用の場が無い。結婚もおぼつかないし子供の養育費や教育費も用意出来ない。年功序列終身雇用を破壊して皆さんは幸せになったんですかねえ。

季節はお盆。県外ナンバーの車も多く見かける。TVでは帰省ラッシュを恒例の季節行事としていつもの様に流している。マイクを向けられた子供が「ジージとバーバに会いに来た」と言っていた。そのジージとバーバはやがてこの田舎からいなくなる。そうしたらその子供がお盆に帰るふるさとは無くなる。誰もいない田舎に墓参りだけの為に帰ってくる事は無いだろう。その子が大人になった時お盆に帰るふるさとはもう無い。

帰省ラッシュのニュースを見ながら考えていた。この光景が20年後も存在するのだろうか、と。都会で暮らす子供達の祖父母の代はもうじきいなくなる。そうすると親の世代も田舎に帰る事が無くなるだろう。という事は更に地方と都会の格差と言うか対立は大きくなるのか?なんだかどう転んでも日本の将来はあまり美しい感じじゃないな。

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