事前学習を怠って玉川温泉に来たら、色んなコトにびっくりした。そもそも玉川温泉の名を知ったのは今回が初めてで、酸ヶ湯、奥入瀬、十和田湖を経て翌日は乳頭温泉に日帰りで行ける宿を宿泊サイトで探していて見つけた温泉だ。
宿は3階建てながら本館に東館、南館に西館とあって、更には昔ながらに自炊しながら湯治のできる宿泊棟もあるようだ。大きくてさしづめ迷路のような宿だ。
自然研究路の方角に遊歩道を歩いてゆくと、素晴らしい景色が見えてきた。
十和田湖から山を越えて行く感じで、鹿角を過ぎてからの国道341号線は暗くなった山道。途中30分以上もの間、対向車が来ないような寂しい道だった。これはてっきり人里離れた山奥にポツンとあるこじんまりした湯治宿だと、思い込んだのは大間違いだった。
宿は3階建てながら本館に東館、南館に西館とあって、更には昔ながらに自炊しながら湯治のできる宿泊棟もあるようだ。大きくてさしづめ迷路のような宿だ。
ここの温泉は酸性度が日本一高く、部屋や大浴場には入浴時の注意書きがあって、源泉に長時間浸かるのは身体にはNGらしい。浴槽は源泉100%と、源泉50%に分かれていて、更に湯の温度でも分かれている。低い酸性度、低い温度の浴槽から攻めるのがコツのようだ。
源泉に浸かってしばらくすると、身体のあちこちでチクチクしてくる。たぶん虫刺され跡か擦り傷の跡だろう。手をこするとスベスベしてくるのがわかる。浴槽を出ると注意書きに従って、洗い湯で全身をしっかり流してから上がった。
翌朝、部屋の窓から見ると温泉の湯けむりの中をみぞれ混じりの雪が降っている。しばらくすると雪が止んだので、朝湯に浸かった後、朝食をとる前に近くを散歩することにした。
自然研究路の方角に遊歩道を歩いてゆくと、素晴らしい景色が見えてきた。
このあたりで写真を撮っていると、時々ゴザを脇に抱えた人が行き来している。はて?と思って更に奥へ進んで行くと数軒の小屋(テント)が見えてきた。
ゴザを抱えた人たちの目的は岩盤浴だと、今頃になってわかった。宿の館内にも岩盤浴があるので、こんな屋外にもあるとは思わなかった。
地熱のある場所を選んでで野宿かと思いきや、この人も岩盤浴をしていたんだ。
乳頭温泉郷あたりでは火山性有毒ガスで人が亡くなる事故があるのは知っていたが、この辺りでもその危険があるようだ。旅から帰って知ったが、約10年前には新雪雪崩で岩盤浴のテントが押し潰され、亡くなった人が数人いる。
また、ここで岩盤浴をすることで北投石が発する微量の放射線を利用してガンを抑えようと、やって来る人もいると知った。
つくづく思ったが、ここに来る前にもう少し勉強すればよかった。次に来る時には屋外で岩盤浴を体験して、隣接する新玉川温泉にも浸かってみたい。それなら腰を据えて連泊しないと駄目だな。
自分が泊まった部屋は湯治宿らしい質素な部屋だったが、ひとり旅ならこれで充分。滞在中は時間もたっぷりあるので、次回来るなら自炊しながらの連泊も面白いかも知れない。それにはやはりひとり旅が良さそうだ。