チニタの冒険にはアイヌ語が出てきます。ここにまとめておきます。
●チニタ
夢 (寝て見る夢)
道東に伝わるアイヌ語らしいです。
●ラルマニ
イチイ 「ラルマ」=眉毛。 「ニ」=木。
イチイの木の葉は、なんとなくゲジゲジまゆげっぽいですよね。
●クネニ
弓になる木 「ク」=弓。「ネ」=成る。「ニ」=木。
イチイの木の枝はあまり一気には伸びませんが、たまに細長く
真っ直ぐ伸びる枝があります。古代アイヌ民族はそのクネニで弓を
つくり魚や小動物を獲っていたそうです。
※「クネニ」と言う言葉は物語に出てきていませんが、
キャラクター紹介で書いたアイヌ語です。
●タク
心
※北海道の方言に詳しいかたへ・・・。
北海道の方言に「酔っ払い」をさす言葉で、「タクランケ」という言葉が
ありますが。これは元来、アイヌ語です。
「タク」=心。「ランケ}=降ろす・落とす。これを合体させると、
「タクランケ」=「正気ではない」という意味になります。
●ニクル
木の人 「ニ」=木 「クル」=人
注意 クルは人の名前などに付けられる言葉であり人間と言う意味では
ありません。簡単な例をあげると、名前の場合は「良男」の「男」の部分に
相当したり、職業名でいうと「美容師」の「師」の部分に相当するのでは
ないかと思います。
いや・・・特別な存在の人にしか使われない言葉なので、
もっと深い意味はあると思うんですが、ちょっと深いところは解りません。
ちなみに「人間」と言う意味のアイヌ語は、「アイヌ」と言います。
●トコタン
湖の集落 「トー」=湖 「コタン」=集落・村
●キラウクル
ツノの人 「キラウ」=ツノ 「クル」=人
●ニポ
正しいアイヌ語なのかわかりませんが、木の枝という意味。
本来は「ニポポ」が木の枝・木の芽の意味。ニポポにしたかったのですが
ニポポというと網走の民芸品ニポポ人形が有名で、物語の名前にはしに
くいかなと思い「ニ」=木、「ポ」=子供・小さい で、小枝とピコりんは解釈
しています。
※ニポポと言えば網走市の民芸品で家内安全お守りの木彫人形ですが
元来は、樺太(サハリン)アイヌの伝統的な習慣だったそうです。春に勢い
よく伸びる木の芽(枝)を赤ちゃんの帯に縛り付け春の木の芽のように
元気に育ってほしいと願いをこめたそうです。木の枝で、人形を作り、
帯紐の縛り付けた人もいたそうです。この習慣を樺太アイヌは
セニシテ・ニポポ(子供を守る木枝)と呼びお守りにしたそうです。
※ニポポの意味でちょっと注意、網走市の方では「ニィ」=小さい。
「ポポ」=子供と説明している文章を見かけました。
古代の樺太アイヌ語なのでピコりんには調べる事ができません。
ピコりんが以前見た樺太アイヌの女性の記事の説明には
「ニ」=木。「ポポ」=赤ちゃん・自分の子供。というような意味が書いてあ
りました。アイヌ民族は地方がちょっと変るだけで、言葉とか意味が
大きく変ったりするので、どちらがどうなのかわかりませんが、
他の解釈もある事を書いておきます。
●オロッコ
昔、樺太(サハリン)北部に住んでいた、ウィルタ族の事。
アイヌ民族はウィルタ族をオロッコと呼んでいたそうです。
オロッコは、オロチョンの、なまったものです。オロチョンとは、
オホーツク海を中心として住み着いていた北方少数民族の総称。
当時オホーツク海を中心とし、多くの少数民族が点在していたそうです。
オロチョン達とアイヌはオホーツク海を利用し、盛んに交易を行って
いたのです。
※オロチョンとの交流は、太平洋戦争末期まで続いていたそうです。
戦後もオロチョンと呼ばれていた部族、ニブヒ族(ギリヤーク人)が網走市
に住んでいた事もあり網走市では現在「オロチョンの火祭り」が行われて
います。
※現在、残っているオロチョン族は、ロシアのバイカル湖周辺に
いるそうです。
※ 「モシリの岩山」は、北海道の知床半島のウトロにあるオロンコ岩に
伝わるアイヌ民話を元にして、ピコりんが作ったファンタジーです。
※関係ない話かも知れませんが、ウィルタ族の信じる火の神様は
ポロロというそうです。アイヌは神の偶像は作りませんでしたが、
ウィルタ族は木を削りポロロの人形を作りました。人形の顔は現在、
網走市の民芸品になっている、ニポポに似ています。網走市で売って
いる民芸品は、このポロロの神とニポポの習慣を合体させ完成させた
そうです。網走市の民芸品ニポポは家内安全のお守りです。
時代を経て地域を越え、日本に残った、古代の神にロマンを感じます。