臆病なビーズ刺繍

 臆病なビーズ刺繍にありにしも
 糸目ほつれて今朝の薔薇薔薇

一首を切り裂く(085・フルーツ・其のⅠ・それならば野菜イチゴもあるはずと)

2012年04月21日 | 題詠blog短歌
(南野耕平)
○  それならば野菜イチゴもあるはずとフルーツトマトのあたりを探す

 常識人としての本作の作者・南野耕平さんにとっては、「フルーツトマト」というネーミングが、たまらなく不愉快で滑稽なのでありましょう。
 〔返〕  それならば男流歌人と言ってみな女流歌人は差別用語だ   鳥羽省三

  
(五十嵐きよみ)
○  ドロップをフルーツ味から舐めてゆくチョコ味だけが最後に残る

 「チョコ味」の「ドロップ」は、何方様からも嫌われているのでありましょうか?
 だとしたら、真に可哀そうなことである。
 〔返〕  ドロップは森永・明治に不二家かな?サクマやオマタは潰れたのかな?


(伊倉ほたる)
○  待ち望むことは遅れてやってくるフルーツトマトを口に含めば

 「フルーツトマト」の甘味が、「口に含ん」で噛んだ後、しばらくしてからほんのりと漂って来ることにヒントを得ての一首でありましょうか?
 〔返〕  待ち望む結果は必ず遣って来る?努力をすれば報われるのか?   鳥羽省三  


(星川郁乃)
○  手の届く贅沢として記憶する新宿タカノフルーツパーラー

 「新宿タカノフルーツパーラー」で待ち合わせといった、手間のかかる逢い引きは、一時代も二時代も前の話ではありませんか?
 私の場合は千駄ヶ谷直行でしたよ。
 〔返〕  手の届く不倫相手に重宝な直属部下の淫乱アラフォー   鳥羽省三