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2013年度作品。アメリカ映画。
日本でも絶大な人気を誇るモータースポーツの最高峰、F1。その1976年シーズンの壮絶なチャンピオン争いに迫るヒューマンドラマ。
監督はロン・ハワード。
出演はクリス・ヘムズワース、ダニエル・ブリュールら。
F1でライバルとして競い合ったニキ・ラウダとジェームス・ハントの物語である。
モータースポーツは興味がないため、二人の名は初めて聞くし、映画もどこまで事実を反映しているかは知らない。
だがこのように並び合う実力者同士が互いを意識し、張り合うという構図は、ことにスポーツの世界ではあるのだろう。
映画の中のニキ・ラウダとジェームス・ハントは互いを非常にライバル視し、時には敵視すらしている。
そしてそこまで張り合うのは、性格がまったく正反対ということも大きい。
ニキ・ラウダはドイツ系ということもあり、きまじめである。
マシンの整備を見ても理詰めで考えて最適なマシンをつくり上げていくようなタイプだ。
一方のジェームスは遊び人タイプで、一見すると軽薄だ。
命の危険にさらされる世界に身を置いていることもあり、レース前には嘔吐するなど、それなりに繊細な面もある。しかし根っこは派手好きなプレイボーイである。
こんな二人では、性格が合うはずもないよな、と見ているとつくづく感じる。
だが実力は概ね近く、王座をめぐり、苛烈な順位争いをくり広げている。
そんな中でニキ・ラウダは事故を起こす。命にかかわるほどの大事故だ。普通に考えて復帰は絶望的だったろう。
しかしニキはそこから復活する。
それもこれも、ライバルであるジェームスの活躍があったからなのだ。その展開が熱い。
敵視しながらも、互いに競い合うからこそ、奇妙なシンパシーを感じるのかもしれない。そんなことを見ていると思う。
そうしてチャンピオン争いは最終戦の日本GPまで持ち越される。
そこでのニキの選択も、個人的には胸を打たれた。
あれほどのケガを負いながらも、復帰したのは、ジェームスに負けたくないという思いもあっただろう。
しかし彼はそこで、本当に大事なもののために、勇気ある決断をする。その姿は素直に胸を打たれた。
そういう点、本作はライバルものであると同時に、愛の物語だったのだ、と気づかされる。
ともあれ、男たちの戦いと何を守るかの選択が心に響く作品であった。
評価:★★★★(満点は★★★★★)
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