私的感想:本/映画

映画や本の感想の個人的備忘録。ネタばれあり。

「マリリン 7日間の恋」

2012-03-29 21:08:42 | 映画(ま行)

1956年、新作映画『王子と踊り子』の撮影のために、マリリン・モンローがイギリスにやってきた。監督&共演は名優ローレンス・オリヴィエ。撮影が始まるが、精神が不安定なマリリンはたびたび遅刻し、オリヴィエらの反感を買う。孤立するマリリンが現場で心を許すのは、この映画の第3助監督コリンだけだった。上流階級の子弟で映画界に飛び込んできたばかりの23歳の青年コリンを、マリリンは何かと指名するようになり、やがて…。マリリン 7日間の恋 - goo 映画
監督はサイモン・カーティス。
出演はミシェル・ウィリアムズ、ケネス・ブラナーら。




マリリン・モンローの映画は見たこともなく、世間で知られている以上に、彼女のことを知っているわけではない。
だから印象としてはまったく白紙の状態だったのだが、この映画を見る限り、彼女に対して次のような思いを強く抱いてしまう。

マリリン・モンローという女優は相当めんどくさい人だったんだな、と。


実際、マリリンは映画を撮っても遅刻を常習的にくり返すし、演技はすぐにとちってしまうし、自信喪失しやすく、一旦自信を失うと部屋に閉じこもってしまう。
私生活では、夫の愛を思いこみから激しく疑ってしまうし、それでいて若い男を翻弄する小悪魔的な顔も持っているから、困ってしまう。

加えておかしな取り巻きがいるせいで、物事がややこしくなってしまう。
彼女の演技指導を自認する女性は、映画監督を差し置き意見を出すから性質が悪い。

そんなマリリン・モンローを見ていると、パーソナリティ障害なんじゃないか、なんて心配もしてしまう(実際Wikiを見たらそうだった)。
ともあれ、めんどくさい人だ。ふり回される周囲の人間も大変だよな、と同情を禁じえない。


しかしそうは言ってもマリリン・モンローは街を歩けば、人が寄ってくるほどの大スターだ。
映画の中の人たちが言うには、どうやらオーラが違うらしい。
完成した『王子と踊り子』のシーンを見る限り、僕にはそこまでのものは感じなかったけれど、たぶん実際そうだったのだろう。

確かに『王子と踊り子』以外の場面で、マリリンのすごさを感じる部分はいくつも見られる。

記者や一般人に対する、コケティッシュにしてウィットに富んだ対応などはいい例だ。
それに若いサード助監督を翻弄するところもその思いを強くする。
ともかく行動はあまりに大胆なのである。あれをやられると、若い男なんてイチコロだ。


マリリン・モンローは、確かに問題児である。
けれど、同時に彼女は輝かしいまでの天然小悪魔であるようなのだ。

ストーリー的にははっきり言って、さほどとは思わない。
だけど、そんなマリリン・モンローのキャラクターが、ミシェル・ウィリアムズの演技も相まって、強い印象を残す一品であった。

評価:★★★(満点は★★★★★)



出演者の関連作品感想
・ミシェル・ウィリアムズ出演作
 「アイム・ノット・ゼア」
 「シャッター・アイランド」
 「脳内ニューヨーク」
 「ブロークバック・マウンテン」

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「マーガレット・サッチャー ... | トップ | 『眠れる美女』 川端康成 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画(ま行)」カテゴリの最新記事