私的感想:本/映画

映画や本の感想の個人的備忘録。ネタばれあり。

「ムーンライズ・キングダム」

2013-02-16 08:19:07 | 映画(ま行)

2012年度作品。アメリカ映画。
1965年、ニューイングランド沖にある小さな島で、12歳のサムはボーイスカウトのキャンプから脱走する。1年前、島の教会でサムは同い歳のスージーと出会い、恋に落ちた。それからずっと駆け落ちの計画を練っていたのだ。落ち合った2人は、手つかずの自然が残る入り江を目指す。一方、2人がいなくなった事に気づいた大人たちは大慌て。ボーイスカウトの隊長ウォード、警官シャープ、そしてスージーの両親は、2人を追いかけるが…。
監督はウェス・アンダーソン。
出演はブルース・ウィリス、エドワード・ノートンら。




この映画のチラシによると、本作は「スウィート」「ファニー」「キュート」といった賛辞が後をたたないとのことであるらしい。
実際、僕も本作を見た後は、かわいらしく、愉快で、甘ったるい映画だな、と感じた。

それゆえのもどかしさのようなものはあるのだけど、たぶんそのもどかしさも含めて、「ムーンライズ・キングダム」という作品の魅力でもあるのだと感じる。


物語は60年代のとある島が舞台である。その地に住む少女のスージーは、ボーイスカウトの少年サムと一緒に駆け落ちをする。

その島での映像はなかなか雰囲気が良い。

特にサムとスージーの逃避行での映像が魅力的だ。
さながら「スタンド・バイ・ミー」のような冒険譚の雰囲気があるのがいい。
枯れ草の草原とか、山の中を流れる川の映像や、岩に登ったりするところなんかはノスタルジックな気持ちにさせてくれる。
60年代というレトロな雰囲気も、その空気を加速させているようにも感じた。

こういった雰囲気は嫌いではない。
見ているだけで、心地よい気分になる作品である。


物語の方もなかなか楽しめる。

スージーは家族の中で孤立しているように感じているし、サムは孤児ということで、里親とは上手く交流できず、問題も起こしがちだ。

その結果、惹かれあっていく二人が関係が見ていておもしろい。
それが見るからに子どもの恋である分、甘酸っぱさも感じてしまう。

二人がキスするところや、ピアスの穴を開けるところ、おっぱいに触れるところ、海に飛び込むところなどはなかなか印象的。

もちろん子どもの恋である分、壊れることはわかっている。
だがその後のボーイスカウト仲間の行動など、二転三転してそれなりに楽しい。


正直雷が落ちてからはバタバタしすぎだな、とは感じたのだけど、おとぎ話のような味わいが残る点が良かった。
物語の空気が印象的で、心地よくもある。
すてきなフェアリーテイル、と感じた次第だ。

評価:★★★(満点は★★★★★)

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