私的感想:本/映画

映画や本の感想の個人的備忘録。ネタばれあり。

「脳内ニューヨーク」

2010-01-27 20:18:00 | 映画(な行)

2008年度作品。アメリカ映画。
ケイデン・コタードは、ニューヨークに住む人気劇作家。ある日突然、妻・アデルが娘を連れて家を出て行ってしまう。不運続きの彼のもとにマッカーサー・フェロー賞(別名“天才賞”)受賞の知らせが舞い込む。人生に行き詰まりを感じていた彼は、その賞金を使い、ある前代未聞のプロジェクトを実行することを決意する。自分の人生を“再生”するための手段として…。(脳内ニューヨーク - goo 映画より)
監督は「マルコヴィッチの穴」の脚本家で、これが初監督作となるチャーリー・カウフマン。
出演はフィリップ・シーモア・ホフマン、サマンサ・モートン ら。



はっきり言ってよくわからない映画である。

主人公が妻と別れるまでを描いた、前半の神経症めいた雰囲気はおもしろいと思うし、不穏な感じがあって、なかなか興味を惹きつけられることは確かだ。
だけど、それ以降の展開についていけなくなる。
現実と願望と虚構が入り混じったようなシュールな世界と展開をどう捉えていいのかわからなくて、困惑し、時間が経つにつれて、どんどん混乱してしまう。
つまらないとまでは言わないが、どうにもクセが強すぎて、うまく楽しむことができない。


自分の人生を演劇化するという内容自体、ずいぶんシュールだし、それが17年経っても完成しない時点で、かなり異質な作品だ。
だが主人公はそんな自己言及をすることで、自分の中の足りない部分を埋めようとしているのがわかり、興味深いことは事実である。
そんな主人公の心象を一言で言うならば、孤独といったところだろう。
そして時折にじむ、自分の人生に対する、ある種の後悔が少し痛い。その点はいいなとは思う。
しかし個人的には好みでない、という印象だけは最後まで覆らなかった。


というわけで、僕は合わなかったし、監督の狙い通りにいっているとは、思えない部分は多かった。
けれど、個性的かつ野心的な映画であることは確かである。きっとはまる人には、はまる映画なのだろう。

評価:★★(満点は★★★★★)



出演者の関連作品感想
・フィリップ・シーモア・ホフマン出演作
 「M:I:III」
 「カポーティ」
 「その土曜日、7時58分」
 「ダウト ~あるカトリック学校で~」
・サマンサ・モートン出演作
 「エリザベス:ゴールデン・エイジ」
 「リバティーン」
・ミシェル・ウィリアムズ出演作
 「アイム・ノット・ゼア」
 「ブロークバック・マウンテン」
 「ランド・オブ・プレンティ」
・キャサリン・キーナー出演作
 「イントゥ・ザ・ワイルド」
 「かいじゅうたちのいるところ」
 「カポーティ」

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