人気脚本家、三谷幸喜の監督第三作目。役所広司、松たか子、佐藤浩市、香取慎吾ら豪華な出演陣が登場。一つのホテルを舞台にしたノンストップ・エンターテイメント。
この作品には多くの登場人物が出てくる。そのどれもが名の知れた俳優たちで極めて豪華な顔ぶれだ。
普通、ここまで登場人物が多いと、視点が分散してしまい、散漫な印象を与えかねない。だが、そこはさすがに手練れの脚本家だけあり、うまく物語を整理している。少なくとも観ていて、まったくストーリーが追えなくなり、こんがらがることはなかった。
しかもこれだけ登場人物が多いのに、どれもそれなりに個性的でキャラが濃いため、いちいち印象に残る。さすがの仕事だ。
コメディ映画ということもあって、結構笑えるシーンが多い。それこそがこの映画の真骨頂だろう。見ている間中、僕自身何度も笑ったし、館内も笑いで湧いていた。これこそ三谷幸喜らしい映画と言えるかもしれない。
はっきり言って、この作品には余韻というものはない。あれだけ見ている最中は笑い、楽しんだのに、これを書いているいまはその印象も強くは残っていない。
だが、ある意味、これこそわかりやすいくらいのエンターテイメントと言えるのかもしれない。これもまた、一つの映画の姿だろう。
この作品は三谷作品が好きなら、間違いなく楽しめる。少なくとも映画を見ている最中は笑いのため、幸福な気分に浸ることができる。お勧めの一品だ。
評価:★★★★★(満点は★★★★★)
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