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社説 [就学援助最多] 格差が教育をゆがめる

2007年08月22日 | スクラップ
(2007年8月21日朝刊)





 県内の公立小中学校で就学援助を受ける児童・生徒が過去最多になった。

 学用品代や給食費、修学旅行費などを親が工面できず、行政から援助を受ける子どもが昨年度は二万八百六十七人。二〇〇二年度から毎年増え続け、五年間で約二千人増えた。受給者の増加と全児童・生徒数の減少で、受給率は13・8%に達している。

 県教育庁は、生活に困っている家庭が増えているのが背景にあると指摘する。県民所得の低さや、離婚率の高さに伴う一人親世帯の増加、不況の影響など、子どもを取り巻く状況が一向に改善されていないことが、県の調査に見て取れる。

 本島中南部の都市部で五、六人に一人が就学援助を受けている事実を目の前に突き付けられると、格差問題の深刻さをあらためて感じざるを得ない。

 国は三位一体改革を進める中で、親が生活保護を受けている「要保護」に準じる困窮世帯の「準要保護」への国庫補助(二割)を、〇五年度からカットした。その分、市町村への負担は増え、「準要保護」の子どもの増加に財政が耐えられなくなってきているのも現実問題として浮上している。

 市町村は認定基準を厳格にしたり、全額支給を一部支給にしたりと、財政負担を減らすべく受給率の縮小に動いている。

 認定基準を引き上げ、いったんは受給者が減った自治体が、翌年度には再び増加に転じるなど、行政の対応が対象者の増加に追いつかない厳しい現実もある。

 義務教育の機会はすべての子どもに均等に与えられるべく、憲法で保障されている。

 援助費を遊興費などに使ってしまう不届きな親の存在は容認できないが、現に低所得にあえぎ、子どもを抱え前途に希望を見失いがちな家庭を切り捨てることがあってはならない

 国は、真に就学援助が必要な子どもに満遍なく救いの手が差し伸べられるよう、市町村への財政支援を含め施策を講ずるべきだ。




沖縄タイムス
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