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ふるさと納税、住民税から控除する案が有力に

2007年08月21日 | スクラップ
2007年08月20日21時56分



 都市と地方の格差に関連して議論の的となっている「ふるさと納税」構想は、寄付の形にして住民税から税額控除する方式が有力になってきた。総務相の諮問機関「ふるさと納税研究会」(島田晴雄座長)で委員の大勢が一致。年末の税制改正をにらみ、制度案のとりまとめを急ぐ方針だ。

 ふるさと納税は菅総務相が今春、住民税の1割程度を生まれ故郷の自治体などに回せるようにしようと提唱した。
しかし、(1)ふるさと=対象となる自治体の範囲
(2)税における受益と負担との関係
(3)手続き
 ――などが課題となっている。

 研究会で協議した結果、対象については本籍地や出生地などに限定せず、納税者の意思を尊重することで一致した。

 だが、住んでいる自治体にサービスを受ける見返りとして払うのが住民税の原則。徴収には強制力があり、納税者の意思の尊重ともそぐわない。「整合的に構成するには無理がある」(島田座長)との結論に傾いた。

 そこで寄付として扱う方法を検討した。現行制度では、自治体などに寄付をすれば一定額が所得から控除されて住民税が軽くなる。単純に説明すると、10万円を寄付した場合、課税所得が40万円なら30万円に圧縮され、税率10%だと本来4万円の税金が3万円になる。ところが全額税額控除にすれば、税額4万円の人が2万円を寄付すると納税額は2万円で済む。

 このため住民税から直接控除しようという意見が大勢を占めた。所得控除では確定申告が必要で、せっかく導入しても利用が少なくなりかねないという事情もある。

 ただ、寄付全額を控除するのか、2~3割は対象外にして納税者の持ち出しにするのかについては意見が分かれている。

 寄付として扱う額は住民税の1割程度とする方針。格差是正に大きな効果は期待できないとの見方が強いが、島田座長は「ふるさとへの思い、自然環境の大切さに関心を呼び起こす意味のある企て」と評価する。しかし、地方税の枠内での移動には当の地方にも反発があり、実現までには曲折がありそうだ。



朝日新聞
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