2007年12月4日(火) 朝刊 26面
【東京】沖縄戦「集団自決(強制集団死)」への日本軍の強制を削除した教科書検定意見の撤回を求める全国集会(主催・東京沖縄県人会、沖縄戦首都圏の会)が三日夜、都内の九段会館で開かれ、関東・関西など各地から約一千人(主催者発表)が参加した。
文部科学省に(1)検定意見の撤回を可能にする検定規則の制定(2)教科用図書検定調査審議会で審議中の教科書会社六社による訂正申請を認めて記述を回復―などを求めるアピールを全会一致で採択した。
渡嘉敷島で「集団自決」を体験した金城重明さん(沖縄キリスト教短大名誉教授)は「日本軍が天皇から授かった武器である手榴弾を配ったのは、住民への死の強要にほかならない」と自決の強制性を訴えた。
一九九一年度の公民教科書検定で引用されたコラムに検定意見が付き、九六年度に文部省、厚生省(ともに当時)の謝罪を勝ち取った暉峻淑子埼玉大名誉教授は、検定意見の根拠が厚生省社会局長の国会答弁だったことを説明。
「孤独な闘いだったが、私が引き下がったら日本の民主主義と科学的な真実が後退すると思った。文部省の課長に抗議して『外に雨がザーザー降っていても局長が晴れと言えばその通りですか』と聞くと『はい、そうです』と言われた」と述べ、検定意見に固執する国の姿勢を批判した。
2007年12月4日(火) 夕刊 5面
検定制度見直し言及/撤回要請に文科省審議官
【東京】沖縄戦「集団自決(強制集団死)」への日本軍の強制を削除した教科書検定意見の撤回を求める都内在住の市民団体や県関係の国会議員などが四日午前、文部科学省で布村幸彦大臣官房審議官に要請した。出席者によると、布村審議官は「検定意見が間違っているとは思わない」と反論する一方、「検定制度の見直しは考えている」と制度見直しに初めて言及したという。
要請には都内各地で検定意見の撤回を求める「市民の会―東京―」(阿部ひろみ代表)、「沖縄戦首都圏の会」、琉球大学の高嶋伸欣教授と山口剛史准教授が参加し、それぞれが要請書を手渡した。県関係の野党国会議員四人も参加した。
文科省が今回の検定の責任を認めて謝罪することや、検定意見が誤っていた場合の是正措置を検定規則に明記するよう求める声が相次いだ。
布村審議官の「見直し」発言を受け、高嶋教授が「審議会の透明性向上だけでなく制度全体の見直しなのか」とただしたところ、同審議官は否定しなかったという。
照屋寛徳衆院議員(社民)は「文科省は検定の責任を率直に認めて謝罪してほしい。このようなおろかなこと(検定)を繰り返してはならない」と述べ、謝罪や記述の完全な回復を求めた。
「市民の会」の阿部代表は、訂正申請の内容の公開や教科用図書検定調査審議会委員の選任を見直すよう求めた。
一方、同時刻に文科省前で「市民の会」と「新しい歴史教科書をつくる会」が集会を開き、現場は一時、騒然とした。
2007年12月5日(水) 朝刊 22面
「集団自決」修正/撤回否定に批判集中
【東京】沖縄戦「集団自決(強制集団死)」に関する教科書検定意見の撤回などを文部科学省に要請した市民団体や支援組織が四日午後、参院議員会館内で報告集会と記者会見を開いた。民主、共産、社民の野党国会議員十五人を含む約百人が参加した。文科省の布村幸彦大臣官房審議官が検定意見の撤回を「考えていない」と否定したことに批判が集中。市民の代表は「私たちの税金で働いている人がこんなことを言うのは許せない」と憤りをあらわにした。
県高教組の松田寛委員長は「(布村審議官は検定意見が)『制度上問題ない』の一点張りだった」と指摘。
その上で「(審議会での審議という)制度を通過すれば(記述が)間違ってもいいという考え方が全く理解できない」と述べ、手続き論に終始する文科省の姿勢を批判した。
教科書全国ネット21の俵義文事務局長は「文科省の姿勢は検定意見を絶対に撤回しないが、沖縄が怒っているので訂正申請でけりをつけようとしている。官僚は絶対に過ちを犯さないという前提がある」と述べ、疑義を呈した。
「沖縄戦教科書検定意見の撤回を求める市民の会―東京―」の阿部ひろみ代表は「審議会で公正な審議がされたという(布村審議官の)考えに本当にびっくりした」と指摘し、教科書調査官の原案を議論がないまま追認した教科用図書検定調査審議会の在り方に警鐘を鳴らした。
検定意見撤回に難色/要請団に文科省審議官
【東京】沖縄戦「集団自決(強制集団死)」への日本軍の強制を削除した教科書検定意見の撤回を求める市民団体や国会議員などが四日、文部科学省で布村幸彦大臣官房審議官に要請した。出席者によると、布村審議官は「検定意見の撤回は考えていない」とあらためて明言、検定の正当性主張した。一方で、「今回の訂正申請の審議が終わり次第、検定制度全体の在り方について検討したい」と制度の見直しに初めて言及したという。(一部地域既報)
要請には都内各地で検定意見の撤回を求める「市民の会―東京―」(阿部ひろみ代表)、「沖縄戦首都圏の会」、琉球大の高嶋伸欣教授と山口剛史准教授が参加し、それぞれが要請書を手渡した。
「自決」記述復活 反対決議を採択/政治介入に反対の会
【東京】「教科書検定への政治介入に反対する会」(小田村四郎代表)は四日、都内で集会を開き、文部科学省が教科書会社の訂正申請を受け、記述復活することに反対する決議を採択した。
沖縄タイムス
【東京】沖縄戦「集団自決(強制集団死)」への日本軍の強制を削除した教科書検定意見の撤回を求める全国集会(主催・東京沖縄県人会、沖縄戦首都圏の会)が三日夜、都内の九段会館で開かれ、関東・関西など各地から約一千人(主催者発表)が参加した。
文部科学省に(1)検定意見の撤回を可能にする検定規則の制定(2)教科用図書検定調査審議会で審議中の教科書会社六社による訂正申請を認めて記述を回復―などを求めるアピールを全会一致で採択した。
渡嘉敷島で「集団自決」を体験した金城重明さん(沖縄キリスト教短大名誉教授)は「日本軍が天皇から授かった武器である手榴弾を配ったのは、住民への死の強要にほかならない」と自決の強制性を訴えた。
一九九一年度の公民教科書検定で引用されたコラムに検定意見が付き、九六年度に文部省、厚生省(ともに当時)の謝罪を勝ち取った暉峻淑子埼玉大名誉教授は、検定意見の根拠が厚生省社会局長の国会答弁だったことを説明。
「孤独な闘いだったが、私が引き下がったら日本の民主主義と科学的な真実が後退すると思った。文部省の課長に抗議して『外に雨がザーザー降っていても局長が晴れと言えばその通りですか』と聞くと『はい、そうです』と言われた」と述べ、検定意見に固執する国の姿勢を批判した。
2007年12月4日(火) 夕刊 5面
検定制度見直し言及/撤回要請に文科省審議官
【東京】沖縄戦「集団自決(強制集団死)」への日本軍の強制を削除した教科書検定意見の撤回を求める都内在住の市民団体や県関係の国会議員などが四日午前、文部科学省で布村幸彦大臣官房審議官に要請した。出席者によると、布村審議官は「検定意見が間違っているとは思わない」と反論する一方、「検定制度の見直しは考えている」と制度見直しに初めて言及したという。
要請には都内各地で検定意見の撤回を求める「市民の会―東京―」(阿部ひろみ代表)、「沖縄戦首都圏の会」、琉球大学の高嶋伸欣教授と山口剛史准教授が参加し、それぞれが要請書を手渡した。県関係の野党国会議員四人も参加した。
文科省が今回の検定の責任を認めて謝罪することや、検定意見が誤っていた場合の是正措置を検定規則に明記するよう求める声が相次いだ。
布村審議官の「見直し」発言を受け、高嶋教授が「審議会の透明性向上だけでなく制度全体の見直しなのか」とただしたところ、同審議官は否定しなかったという。
照屋寛徳衆院議員(社民)は「文科省は検定の責任を率直に認めて謝罪してほしい。このようなおろかなこと(検定)を繰り返してはならない」と述べ、謝罪や記述の完全な回復を求めた。
「市民の会」の阿部代表は、訂正申請の内容の公開や教科用図書検定調査審議会委員の選任を見直すよう求めた。
一方、同時刻に文科省前で「市民の会」と「新しい歴史教科書をつくる会」が集会を開き、現場は一時、騒然とした。
2007年12月5日(水) 朝刊 22面
「集団自決」修正/撤回否定に批判集中
【東京】沖縄戦「集団自決(強制集団死)」に関する教科書検定意見の撤回などを文部科学省に要請した市民団体や支援組織が四日午後、参院議員会館内で報告集会と記者会見を開いた。民主、共産、社民の野党国会議員十五人を含む約百人が参加した。文科省の布村幸彦大臣官房審議官が検定意見の撤回を「考えていない」と否定したことに批判が集中。市民の代表は「私たちの税金で働いている人がこんなことを言うのは許せない」と憤りをあらわにした。
県高教組の松田寛委員長は「(布村審議官は検定意見が)『制度上問題ない』の一点張りだった」と指摘。
その上で「(審議会での審議という)制度を通過すれば(記述が)間違ってもいいという考え方が全く理解できない」と述べ、手続き論に終始する文科省の姿勢を批判した。
教科書全国ネット21の俵義文事務局長は「文科省の姿勢は検定意見を絶対に撤回しないが、沖縄が怒っているので訂正申請でけりをつけようとしている。官僚は絶対に過ちを犯さないという前提がある」と述べ、疑義を呈した。
「沖縄戦教科書検定意見の撤回を求める市民の会―東京―」の阿部ひろみ代表は「審議会で公正な審議がされたという(布村審議官の)考えに本当にびっくりした」と指摘し、教科書調査官の原案を議論がないまま追認した教科用図書検定調査審議会の在り方に警鐘を鳴らした。
検定意見撤回に難色/要請団に文科省審議官
【東京】沖縄戦「集団自決(強制集団死)」への日本軍の強制を削除した教科書検定意見の撤回を求める市民団体や国会議員などが四日、文部科学省で布村幸彦大臣官房審議官に要請した。出席者によると、布村審議官は「検定意見の撤回は考えていない」とあらためて明言、検定の正当性主張した。一方で、「今回の訂正申請の審議が終わり次第、検定制度全体の在り方について検討したい」と制度の見直しに初めて言及したという。(一部地域既報)
要請には都内各地で検定意見の撤回を求める「市民の会―東京―」(阿部ひろみ代表)、「沖縄戦首都圏の会」、琉球大の高嶋伸欣教授と山口剛史准教授が参加し、それぞれが要請書を手渡した。
「自決」記述復活 反対決議を採択/政治介入に反対の会
【東京】「教科書検定への政治介入に反対する会」(小田村四郎代表)は四日、都内で集会を開き、文部科学省が教科書会社の訂正申請を受け、記述復活することに反対する決議を採択した。
沖縄タイムス
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