室蘭市の郊外、陣屋新橋からの眺望です。遠方には噴火湾。眼下には、谷川に沿うように陣屋町の
家並みが見え隠れする。陣屋町は、南部藩の陣屋跡が存在する人口800人弱の小さな町です。
陣屋新橋の下の谷間では、エゾコブシやエゾヤマザクラと木々の新緑が春紅葉を織りなす。
「陣屋跡」は国指定の史跡です。幕末期に南部藩士が常駐、噴火湾の東側の沿岸防備のために築か
れた陣屋です。現在は、小さな堀と土塁や礎石が残る。一方、屋敷跡などの関連建造物などは復元され
ていませんが、平面復元が施されています。
史跡の裏手、土塁に沿うように当時植えられた杉の古木が鬱蒼と生い茂る。
敷地内に植栽されている「枝垂桜」が、花を満開に咲かせています。樹齢は定かではありませんが、
株の回りの太さや枝振りから、相当の樹齢と推測されます。
史跡に隣接する雑木林の中では、シロバナエンレイソウが花の見ごろを迎えています。決して大規模
な群落ではありませんが、市内屈指の自生地です。