6月28日(日)、自宅に新刊書が届きました。知人である岐阜県関市の「砥ぎ師」さんが数年かけて書かれた本が出版されたのです。
私自身が四国大学に赴任してから図書館で見つけた「亜墨竹枝」と「亜墨漂流新話」という資料から、数年前に何本かの論文を書きました。幕末に漂流して、メキシコまで行って帰ってきた「初太郎」に関する論文です。
今は、このような論文の一部がインターネットで公開されているので、それを見て連絡を下さったのが、関市の篠田泰之さんです。私よりも15歳上の先輩の「刃物砥ぎ師」さんで、歴史研究にも熱心な方です。彼が研究されていたのが、知多半島出身の「音吉」です。
音吉は、初太郎より10年ほど前に漂流して、アメリカに到着したものの、イギリスに売り飛ばされ、その後マカオに来て宣教師の聖書の日本語訳に協力し、漂流者の通訳なども務めます。やがてモリソン号という米国船で日本への帰国を試みるも、鎖国の日本に排除されて帰国がかなわず、通訳や商人として外国で生きることを決意。その折に、マカオで初太郎の世話もしています。
結局、彼はシンガポールに移住して、外国人女性と結婚して生涯を終え、異国の土となりました。
今、出身地の愛知県美浜町には、彼に関する研究会が存在するそうです。音吉に関する情報は下記をご覧下さい。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%B3%E5%90%89
http://www.jas.org.sg/magazine/yomimono/jinbutsu/otokichi/otokichi.htm
数年前から、音吉に関する本を出そうと計画されていた篠田さんに、初太郎の情報の一部を提供しました。それ以来、出来上がった文章がその都度送られてきて、校正に協力をさせていただきました。
一昨年の秋には淡路まで仕事があってこられたついでに、徳島にも来ていただいたのですが、ちょうど私が仕事で出張になってしまい、お会いできなくて、妻や同僚の先生方と一緒に食事をしていただいたのです。ですから、私はメールは相当やりとりしたのですが、まだお会いできてはいないのです。
初太郎に興味のある方には、たいへん参考になる本ですので、ぜひ一度お読みください。そのころの世界情勢を知るためにたいへん便利です。キリスト教の日本への布教や、聖書の研究をされている方にも必読書だと思います。
新刊書は、新葉館出版 A5版、606ページの大作です。2,600円+税 というお求めやすい価格です。インターネットで購入の方は下記からどうぞ。7月6日から販売です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます