ぱたぱた仙鳩ブログ

徳島から書道文化を発信します。

長野市の北島書店

2011年09月26日 | インポート

Kitajima1_3数日前、台風の進行とともに、4日ほど自家用車で長野県に帰省しました。いつもは8時間ぐらいで帰れるところですが、今回は台風で高速道路が通行できなかったり、洪水で国道が寸断されていて14時間もかかりました。帰省は1年ぶりぐらいで、親や兄弟の顔も久しぶりに見ることができました。

学生時代に3年間ほど、善光寺の宿坊(良性院)が経営するアパートに住んでいました。このアパートの隣にあったのが、写真の「北島書店」です。学生時代は、古書にあまり関心がなかったので、隣にあったのに、年に数回のぞいた程度で、お金もなかったので、本当に安い本しか買えませんでした。唯一、田代秋鶴の教育書道に関する本を確か6千円ほど奮発して買ったぐらいでした。また中学校の教員になってから、いちど村史かなにかを売った覚えがあります。

徳島に赴任して、同僚の杉村先生と学生時代の話をしていて、「長野といえば、北島書店があるでしょう?そこには書論もおいてもらっているし、店主の造詣が深く一茶や会津八一の研究では有名な店です。」という話を聞いて驚きました。

今回、良性院に久しぶりに顔を出すついでに、北島書店に行ってみました。アパートは既に建て替わっていて昔の面影は有りませんでしたが、書店の方は昔のままでした。今、改めて書棚を見てみると、本当にいい本が並んでいます。ちゃんと書論の雑誌も置いてありました。バックナンバーも10冊ほど置かれていました。Kitajima2_3

ご夫婦で店番をされていたので、名刺を渡して事情を話し、話が盛り上がりました。お店の内外を写真に撮ってブログに掲載させて頂く許可を得ました。笑顔が似合うとても良い雰囲気のご夫婦でした。

この日は,『伊那尊王運動史』なる珍本を見つけて購入しました。書道史を学ぶ者にとって、このような良い古書店は重要です。現在はインターネット販売が中心の店も多いですし、私もよく利用していますが、店頭で実際に良い古書のタイトルを見ることが実はとても勉強になります。例えばこの日も、藤田剣峰(徳島出身の歴史学者)の著作の存在を知りました。手持ちが少なかったので購入はしませんでしたが、図書館でまた調べてみたいと思います。

今後とも、このような方々に頑張って頂きたいと、切に願いながら長野県を後にしました。