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趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

アルカサル―王城 完結編・前編を読みました(ネタバレ):その1(多分続く)

2007-02-17 11:38:03 | 読書(和書)
その1‥‥,多分,まだ続きを書くと思うのですが(^^;),塩漬けにしてもしょうがないので,とりあえず,今日書けた所までは投稿しちゃいます。

私のブログのどこのカテゴリに置いたらいいんだ? 英語じゃないしなあ。。悩みどころですが,きっと何かの縁だろうと思って,きっかけを作ったAthelstanのカテゴリに置きました。ドン・ペドロ王が亡くなったのは1369年,あのAthelstanシリーズが始まる8年前の事です。これだけ時代が近いですから,2つのお話にかなり関連があるわけです。

今回は,主人公はもちろんドン・ペドロなのですが,彼の部下,マルティン・ロペスの目を通して描かれているため,あまりドン・ペドロの心理を追う事はできません。語り手を変えて主人公の心理を直接描かないのは,「カッコーの巣の上で」や「アラバマ物語」の原作で使われる手法ですね。私は子供の時読書しませんでしたので英語読書を始めてからこういう手法がある事を知りました。(笑) 

でも,すぐに何故マルティン・ロペスの目を通したか,痛いほどわかってしまうんですね。今回1番心配していた,マリア・デ・パデリアと,ドン・ペドロ自身の死が‥あああ,やっぱり,直接描くのは避けられてしまったのですね。

歴史背景が,指輪物語どころではなく(笑)複雑でございます。
エンリケに最初に王座を奪われた後,イギリスの力を借りて一旦奪い返すナヘラの戦闘や,ドン・ペドロ最期の戦いとなったモンティエルの戦いもWikipediaに出ているんですよ。

当時,マンガにも描かれたように,イギリスとフランスは百年戦争の最中にありましたが,これは単純な英仏の喧嘩ではなく,ヨーロッパ特にスペイン,ポルトガルを巻き込んだ大きな(迷惑な‥)戦争だったようです。ドン・ペドロにはイギリスが,エンリケにはフランスが後ろ盾となりましたので,お互い,引くに引けないわけです。モンティエルの戦いは,カスティリアの内戦というより,百年戦争の一部と見られているというから驚きです。

マリア・デ・パデリアが亡くなってから,ドン・ペドロが殺される1369年まで3年間の話,と描かれていますが,Wikipediaでは,マリアは1361年に亡くなったという事になっています。

ドン・ペドロの娘達が嫁ぐ事になるイギリス王家の王子様達ってどう描かれていたのか気になっていたのですが,エドワード黒太子(Edward, the Black Prince)をはじめとして,いい感じだったので,ちょっと和みました。
ドン・ペドロの死後,コンスタンシアは,エドワード3世の三男John of Gauntと,イサベラは四男Edmund of Langleyと結婚します。コンスタンシアがカスティリアの王位継承権を持っていたというので,ベアトリスは亡くなってしまうのでしょうか。。


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