2014年10月23日(木)、秋田県立近代美術館(横手市赤坂字富ケ沢62-46)で開催中の「後三年合戦絵詞の世界」展[10/4(土)~11/3(日)]を観に行ってきました。会場は秋田ふるさと村の中にあるので、ちょうど準備中と思われる「秋田県横手市第46回菊まつり」も見ることができました。
正面出入口から入場し、「光の回廊」と呼ばれている広い通路(廊下)を通って「風の回廊」と呼ばれている広場に着きました。「風の回廊」の中には「厚物」と呼ばれている大菊が沢山展示されていましたが、それらの中に「大掴(おおづか)み」と思われるものが沢山ありました。
大掴(づか)みは、厚物の一種といえるが、花弁が強く巻き込んだように咲くそうです。
キク科 デンドランセマ属 Dendranthema
ヨーロッパ及び東、中央アジアに約20種が分布する多年草。基部は木本化することがある。花色は白、黄、紫など。属名は「樹の花」の意。
キク D.×grandiflorum
キクの学名は、従来Chrysanthemum×morifoliumが用いられてきたが、現在は表記のように改められた。但し、一般的に栽培ギクをいうときにはChrysanthemumとする。現代のキクは、中国北部の白花のチョウセンノギクD.zawadskiiと中国中部の黄花のハイシマカンギクD.indicumとの雑種ができ、さらにいろいろな種が交雑されて成立したものだという。日本では平安時代の初期には栽培されていたとのこと。江戸中期から変わり咲きが生まれ、厚物、管物、広物などの大菊、それに江戸、伊勢、嵯峨、肥後などの中菊ができたという。営利栽培用としては、自然開花時期によって夏菊、夏秋ギク、秋菊、寒菊に分けられ、さらに電照や遮光処理によって開花調節が行われている。1960年代にはスプレーギクSpraymumも導入された。花卉(かき)類の中では営利生産される量が最も多い。
観賞菊:日本で趣味的に観賞されている菊は、花径によって、大菊、中菊、小菊に分けられる。その区分は絶対的なものではないが、通常、それぞれ、径18㎝以上、9㎝以上、9㎝以下に分けられている。生態的にはすべて秋菊系で、短日条件下で開花する。
大菊:観賞用菊の最も代表的なもので、花色は黄、白、橙、桃、赤などがあり、花形から次の6系統に分けられるが、豪華、優美さをもつのを特徴としている。(1)厚物…太い管弁がたくさん集まってこんもりと盛り上がって咲く。(2)厚走(あつばし)り…前者の外側の花弁が外方へ流れて咲く。(走り咲き)。(3)広物(ひろもの)…幅広の平弁で一重咲き、一文字ともいう。花弁が垂れ下がらないように必ず輪台をつけて観賞する。(4)管物(くだもの)…花弁が管状になっているもので、太さによって、太管(ふとくだ)、間管(あいくだ)、細管(ほそくだ)、針管(はりくだ)に分けられる。(5)大掴(おおつか)み…厚物の1種といえるが、花弁が強く巻き込んだように咲く。(6)美濃菊…幅広平弁の八重菊で、岐阜県大垣地方で栽培されてきた。色彩が鮮やかな特徴がある。[栽培]6月頃挿芽をして鉢上げし、系統や品種によって異なるが、秋10~12月に開花する。[以上、山と渓谷社発行「山渓カラー名鑑「園芸植物」より]