Burning Pavilion Part3

日常のもろもろ

Traveling Wilburysのメンバー

2007-07-04 21:36:53 | 音楽

先日の日記でも書いたが、Traveling Wilburysはジョージ・ハリスンの新曲制作が発端となり結成された、インスタント的であり、長期熟成的でもあるスーパーバンドである。

メンバーはジョージの他、当時ジョージのプロデューサーを務めていたELOのジェフ・リン、トム・ペティ、ロイ・オービソン、そしてジョージの長年の友人であり、ロック界の超偉人、ボブ・ディランという超豪華な面々である。

先日Travering Wilburysのリイシュー盤がリリースされたことは書いたが、その後、この盤からの流れで、メンバーの作品をよく聴いている。
以前はジョージとジェフ・リンのは聴いてたけど、今回はついにトム・ペティに踏み込んだ。どうも声が気に入らなかったんだが、DVDと合わせて見たり聞いたりしてると、トムがビッグネームに挟まれ結構活躍の場を与えられていることがわかる(この人も十分大物ですが…)。

去年発表されたトム・ペティのハイウェイ・コンパニオンという作品は久々に丸ごとジェフ・リン、プロデュースの作品であった。ジョージ追悼関連でウィルベリーズの曲をジェフと一緒に演奏したりしてるうちにまとまった話だったのかも。
これが、なかなかの好盤。アメリカのロードムービー的な、何もない一本道を飛ばしているような場面に似合う音である。ジェフ・リン・プロデュースで、ですよ。意外だと思われる方もいるかもしれません。

ジェフ・リンのプロデュースには3通りあって、

1.ELO時代のようなギターやコーラスをバリバリ重ねてて、音の隙間のないもの。かなりコッテリしてて体調がよくないと全て聴き通せないかも、という、フィル・スペクターのサウンドを70~80年代用にアップデイトした、ジェフリン風ウォール・オブ・サウンド。コーラスがオペラチックで分厚いです。
 これは、同じくスペクターサウンドを自身の解釈で身につけているビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンをプロデュースした時もこんな音でした。ジョージのクラウド・ナインはこれに分類されます。

2.少々ラフにジェフ・リン風ウォール・オブ・サウンドを用いるが、1ほど濃くない。これはオールディズ風の曲調をプロデュースする時に多く見られます。ストリングスを用いず、ギター中心のサウンドの時はこれにあたり、トラヴェリング・ウィルベリーズや自身のソロはこれです。一見ラフなんだけど人工的な感じ。90年代に発表されたビートルズの新曲もこれに当たると思われます。

3.隙間があり、シンプル。一般的なジェフ・リン・サウンドから最も遠いもの。楽器の数を抑えてるんじゃないでしょうか。トム・ジョーンズのプロデュースあたりからこういう音を出してるんじゃないかと思います。ポール・マッカートニーのフレイミング・パイもこれに当たります(スーヴェニアは2かも)。

そして、件のトム・ペティの新作、ハイウェイ・コンパニオンは3です。フレイミング・パイの耳触りに非常に似てます。あの音が好きな人にはお勧めです。曲もいいし。ウィルベリーズはまだ続いていた!という耳で聞くと感慨深くもあります。
余談ですが、ポールには1のサウンドが合ってるんじゃないかな~。新作も1ほどコッテリしてないけどちょうどいいあんばいでした。


ということでトム・ペティを聴いてるわけですが、ディランもまた聴き始めました。どうも好きになれず、まだ先かな、と思ってましたが、ザ・バンドと一緒の音源ならかなり好きです。ということで、「地下室」を購入してみましたがやっぱザ・バンドの方が好きだな…。

ロイ・オービソンの遺作、Mystery Girlも数曲、ジェフ・リンがプロデュースしてますが、どれも名曲揃い。これが廃盤とは勿体ない!。当時レンタルしてダビングしたテープが実家のどこかにあるのがまだ救いです(笑)。
1曲目You Got Itは、TW Vol.1に収録のHandle With Care やNot Alone Anymoreに匹敵する名曲。そして、A Love So Beautifulはそれを上回る超名曲。先日テレビで石田純一が素人女性とデートへ行く企画のBGMでカバーバージョンが流れていて久々に聴いたけど、すっげぇいい曲だ。確かジェフ・リンの書き下ろしのはず。
ちなみにこれは2に分類されます。やべぇ、ほんとに聴きてえ。。。