さて、11月27日、KING CRIMSONの東京は国際フォーラムで開催された、ジャパンツアーの初日公演に妻と行ってまいりました。
先立って行われた全米ツアー終了時に、おそらくこれがアメリカでの最後のツアーになるだろうと、クリムゾンのフロントメンバー、ジャッコ・ジャクジクが述べた。主宰者じゃないのがミソ。
理由はメンバー間に音楽的、ましてや感情的に不和が生じたわけではなく、コロナ禍下、或いはアフターコロナで会場を確保するのが困難という、運営上の問題である。
確かに、対バンツアーとはいえ、チェックしたセットリストは明らかに演奏時間が短く、会場の使用時間の制限を思わせるものであった。さらにいうと、無難な曲オンリーだし、毎日セットリストが異なったこれまでとは違い、言葉は悪いが、ワンパターン化したような内容であった。
このツアーは日本公演のチケット発売後に始まったため、セトリを見て不安もありつつ、日本ではワンマンだからフルセットやるだろうとの期待半分。
結果としてはその間と言ったところか。
日本ツアーの開始直前の古株ベーシスト、トニー・レヴィンから今回が最後の日本公演になるだろうとのコメント。
そして、主催のロバート・フリップも、今回が日本公演の集大成である、と最後を匂わすコメント。
私の行った初日はかなりオーソドックスなアメリカ公演のセットリストを複数組み合わせたような、ベスト・オブ・ベストな内容。総尺2時間30分なので結構やった方だと思うし、アメリカよりは明らかに曲は増えている。
初日公演後、7公演程あったが、どれも初日より曲数が多いのが悔しいところではあった。しかし、総尺は変わらない。短い曲が増えただけのようであった。
後から知ったところによると、今回が最後のツアーになるだろうから、初めて見る人は今後、生でクリムゾンを聴く機会はなく、最初で最後の機会になるので、聴きたいであろう曲、つまり、ベスト・オブ・ベストにした。ということのようだ。
珍しくサービス精神的なことも一見感じられるが、どうなんでしょう。
最初で最後の人がオールタイムベストを果たして見たいのか、そういう方だって2019年に一瞬やってた80'sクリムゾンのFrame By Frameや、これをやった日は当たり回と言われるFractureをご所望かもしれないわけで。
でも、セットリストはやる気を感じられないほど定番を集めたものかもしれないけど、演奏はハッキリ言って前回2018年と比べて、初めから終わりまでフルスロットル、緩急なしって感じでした。
前半のREDが凄まじかった。
現行ラインナップになった2013年からしばらくはドラマのアレンジがまさに3人太鼓って感じで和風な感じでしたが、このツアーではさらにオリジナルのアレンジに近い感じ。
凄まじい演奏で、これぞご褒美という感じでした。
どんなご褒美かというと、これを初めて聞いた1991年、高校生だった私がまさかこんな凄まじいオリジナルを凌駕するREDを生で聴けるなんて思ってなかっただろうから。生きててよかった、くらい、これまで嫌な思いをしながら頑張ったご褒美です。
でも、2003年にも確か、ジョン・ウェットンのライブでオリジナルのREDは聴いてるかも(DVDかも)。それはほとんど記憶にないくらい迫力が無かったので、クリムゾンはやっぱりロバート・フリップがいて息が吹き込まれるのだと思います。
この日、前回の来日でジャッコ・ジャクジクが行ったと思われる、銀座の黒ラベルバーへ寄り、30分前くらいに会場についたものの、ものすごい行列。
発熱した場合、入場できないとか、そっち系の本人確認に手間取っている模様だが、私らの後に着いた人も多数いるのでそもそもギリギリ着いた人が多い。
会場に入ったらもう開演数分前。でも物販に並んでる人も多数。トイレに行ったらもう開演時間過ぎてたような。結構みんなのんびりしてるんだね、なんて思ってたら10分押しでメンバー入場。
多分まだ全員座ってないはずだ(笑)。
初日だからかな、このバタバタは。
コロナ後(オミクロン前)初の海外アーティストの日本ツアーというのもあるかもしれない。スタッフも客もみんな慣れてない感じがした。
私も2019年10月の山下達郎以来だった。しかし全然そんな感じもしなかったし、高揚感も無かったのが不思議だ。
しかし、ライブはマスクをしながら観るものではないね。
Set 1:
Hell Hounds of Krim
(listed on the printed setlist… more )
Pictures of a City
The Court of the Crimson King
(with coda)
Red
One More Red Nightmare
Tony's Cadenza
Neurotica
Indiscipline
Islands
Set 2:
Drumzilla
Larks' Tongues in Aspic, Part One
Epitaph
Radical Action II
Level Five
Starless
Encore:
21st Century Schizoid Man