「ダイイングメッセージ。それは、真実を指し示す手がかりではなく、冤罪製造機だと思います」
ダイイングメッセージ
被害者が死ぬ間際に残した証言、証拠品、記述等のこと。
推理小説では、直接犯人の名前が記されることは無く、暗号めいた形で登場する。
「被害者の言い残すダイイングメッセージが必ずしも正しいとは、言えないからね。波崎事件がいい例よね」
波崎事件とは【富山常喜】
「被害者が『箱屋にだまされ、薬を飲まされた』と言っていたという被害者の奥さんの証言と保険金の受取人だったことから、富山常喜さんが犯人にされてしまった事件です」「自供や富山常喜さんが犯人だという証拠が何一つないことから、冤罪の可能性が高いと言われているわ」「私も冤罪の可能性が非常に高いと思うますというか、普通なら無罪にすべき事例でしょうに」「警察の筋書きだと、富山常喜さんが被害者に毒入りカプセルを手渡したってことだけど、無理があり過ぎるでしょ」「普通、医者でもない顔見知りの人間に入手先の不確かな薬をもらっても飲まないでしょう。自分から毒を飲んだ、奥さんから渡された薬を飲んだと考えるのが普通ではないでしょうか？」
「犯人を富山常喜さんと断定せずに、いろいろな角度から事件を調べていたら、違う結末になっていたのかもしれないわね」
