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急性症状と晩発性障害と閾値

2011年04月01日 01時22分23秒 | 画家のツブヤキ

"Charade", 1948. Gouache on masonite. (7 7/8 x 5 7/8 inches)
Herbert F. Johnson Museum of Art, Cornell University, Ithaca, New York

毎日が激動の世界である。 世界中で色々なことが起こり刻々と変化をしている、しかしその中で
どう言う訳か福島原発事故の事が気になる、どうなるか分からないから余計気になるのかも知れない、そう言えばコンピューター2000年問題の時も気になって、どうなるか分からなかったが、一応
「備えあれば憂い無し」と思って水、食料、燃料の備蓄をしたのを思い出す。
現在の段階では事故の行方は、最悪の事態を避けるべく最善の努力をしているが、どうなるか誰も分からない状況のようだ。 その中にあって納得のいく「ひばく」に関しての情報が少ないと思う。
放射線の被曝は出来るだけ避けた方が良いのだが、誰でも今まで続いてきている毎日の生活がある、簡単に全てを捨てて避難する訳にはいかない。 最善の行動をするには知識と情報が不足している。 
そこで自分で理解出来、納得のいく意見を探してみた。


Shibuya, Tokyo in rolling blackout.

 下記は、名古屋大学名誉教授で被爆者の沢田昭二氏の手紙からの抜粋です。 全文を読みたい方は、
弁護士の杉浦ひとみ氏のブログ・ページのリンクを最後に付け加えました。

「内部被ばくや外部被曝を含めて、現在の報道は「しきい値論」に基づいて、何ミリシーベルトだから安全だとか、直ちに問題にはならないと言っています。放射線影響は1、2週間後に急性症状が現れ、晩発性障害は何年も経て発症します。また、放射線影響は急性症状も晩発性障害も個人差と年齢差が大きいことを踏まえるべきだと思います。たとえば、脱毛では0.04シーベルト(40 ミリシーベルト)で0.03%の人が発症し、0.4 シーベルト(400 ミリシーベルト)で0.15%の人(10 万人被ばくすると150 人)が発症します。1 シーベルトで約1.3%,1.5 シーベルトで5.7%の人が発症します。最近ではこの辺り(発症率5~10%)の人が発症する線量をしきい値と呼ぶことがあります。こうしたことを周知させてもらい、被ばくすることを避けるように訴えて欲しいと思います。専門家の意見を聞いて250 ミリシーベルトでは白血球減少症状がでないから作業員の作業被ばく線量を引き上げたとのことであるが、しきい値論に立っての判断が続いている。

 原爆症認定集団訴訟で明らかになった内部被ばくをマスコミも触れるようになりましたが、その深刻さはまだ十分に理解していないようです。とりわけ放射線感受性には大きな個人差があることはほとんど無視されています。敏感な人は10 分の1 でも100 分の1 の線量でも人数は少ないのですが影響が表れる人がでてきます

核分裂生成物には数百種類の核種(原子番号と質量数、あるいは原子核を構成する陽子数と中性子数で決まる)が放出され、気体として広がりやすいのがヨウ素です。CT などによる被ばく(X線外部被曝)と内部被ばくを比較するのは科学的ではありません。たとえばヨードは体内に入り血液ないしリンパ液で体内を循環して甲状腺に蓄積して甲状腺機能の亢進症などを引き起こし、また甲状腺がんなどを引き起こします。がんなどの晩発性障害の発症は被曝線量に比例するので、どれだけ被ばくしても良いとか悪いとか言えません。
 急性症状も晩発性障害もいずれも放射線を浴びなければあびないほどよいわけです。

 テレビ等の報道で、「洗えば安全。なんら問題ない」との解説がしばしばなされています。しかし、発表された野菜の放射線量は「流水で」「洗浄除去し」てから検査された測定値ですから、その産地の野菜を購入した市民が、自宅で洗って食べた場合、測定された放射性物質(放射性ヨウ素やセシウムなど)が洗い流せているものと考えることはできません。ただし、洗わないで食べれば、表面に付着した放射性物質を取り込むことになるので、測定された放射線量よりはるかに多量の放射性物質を取り込んでしまう恐れがあります。

 放射性ヨウ素131(甲状腺に吸収されやすく発がん性が高い)の半減期は約8日ですが、セシウム137では30年であり、千分の1になるには300年もかかります。このような放射性物質を付着または吸収した野菜などを食すれば、体内でヨウ素やセシウムの原子が放射線を発します。摂取された放射性物質は次第に尿などから体外に排出されていきますが、放射性物質を選んで排出する仕組みはありませんから、排出されるまでには相当の時間がかかり(生物学的半減期といいます)、これらから放射される放射線による内部被曝が問題になります。

広島や長崎も何十年もすめなくなると言われました。しかし、8月に原爆が投下され、9 月と10月に台風が襲い、台風の大雨などで放射性物質が流されて台風の後は急性症状の発症が急減しました。これがチェルノブイリ事故の周辺地域の乾燥地帯との違いです。放射繊維よる人体影響は、体内に取込んだ放射性原子核固有の物理学的半減期(たとえばセシウム137 は30 年)、体内に摂取して新陳代謝等を通じて体外に排出して半分になる生物学的半減期、それに環境中から飲食を通じて取り入れる量に関わって、雨風で減少していく環境半減期の3つの半減期で考えなくてはなりません。セシウムの場合生物学的(生理的)半減期は約100 日、長崎の西山地域は環境半減期が約7 年だったとされています。環境半減期は斜面とか湿地とか場所で大きく異なると思います。」

「杉浦 ひとみの瞳のブログ、福島原発被爆について~信頼できる情報」


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