春の日の花と輝く

中小企業で働く女性の日記です。
ぼんやり子づくり→治療開始→なんとか出産

金城一紀『映画篇』(集英社文庫)

2012年04月13日 00時06分14秒 | 読書感想文
 一冊の文庫でこんなに泣いたり笑ったりしたのは初めてかもしれない。

 なんと感想を書いたら良いかわからなくて、読み返してしまった。

 オムニバス短編集で、一話一話の雰囲気もそれぞれ違っていて、文体さえ違う気がして、でもどれも心に響いて…。

 自分の中で結構衝撃的な一冊でした。

 中でも『ペイルライダー』には大きく心を揺さぶられた。

 なんだかとても非現実的なストーリー展開ではあるものの、その非現実的さが「ライダー」の強さの源となる強い悲しみや怒りという心の動きを表していて、なんていうか文学の極みという感じがした。

 ライダーとの旅の末に少年が泣くシーンでは、電車の中でこの話を読んでいた私も泣いた。

 泣くことも出来ないような、許容できない悲しさを、泣くことが出来るくらいに受け入れられる瞬間というものが真に迫っていた。

 チープな言葉だけど、すごい傑作だと思った。

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2 コメント

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Unknown (ヌーピー)
2012-04-13 06:23:37
そこまで気に入ってくれてよかったわ♪

なんだかよくわからないけど、好きな本なの。

アタシは一番始めの話が好きかしら??

やっぱ本当に映画見てるみたいなのよね!!

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Unknown (owned_owner)
2012-04-13 07:44:18
最後の話を読み終えたあとで、最初に帰りたくなるんだよね。

一つ一つの話の雰囲気が違っていて不思議な感じがする。
返信する

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