本当にどうでも良いお話ですが、我が家の玄関の鍵と、実家の玄関の鍵は、鍵をかけたり開けたりする際の回す方向が逆の設定になっています。ボケ老人の私ですから、時々間違えます。開けたつもりが開いていないと言う状態。もちろん開かなければもう一度反対に回せば良いだけなので、困ると言うほどではありませんが、覚えられない現実に打ちのめされる日々。まあ、そこまで悩んでいる訳でもありませんが。少し悲しいかな?
色々小説を読んでいると、町並みの描写が出てくることも多いのですが、
それが知っている場所、行ったことのある場所の時は、
それだけで何となく胸ときめくと言うか、
そこ知ってるよ!って叫びたくなるような感覚。
解るか方もいらっしゃるでしょうか?
以前、このブログでも取り上げた、
乾くるみさんのイニシエーション・ラブでは、
作者が静岡市出身と言うことで、かなり知っている地名、お店が登場。
行って来ました ぶどうの丘 - 徒然雑感 by おとぼけの父上
狂喜乱舞と言うのは大袈裟ですが、それだけでこの小説が好きになりました。
もちろんこの小説はそんなこと抜きに素晴らしいのですが。
更には、なんと言う小説だったかもう覚えていませんが、
昔住んでいた千駄木、家の前の道玄坂、
ちょっと歩いて団子坂やら根津、谷中、不忍池やら寛永寺、
御徒町やら鴬谷、小石川や六義園、東大赤門等々、
小学校の頃に歩いた地名が出てくると、
本当に情景が一層際立って目に浮かびます。
先日読んだ時代小説では江戸から駿府にかけて旅行くなかで、
薩埵峠やら由比の旧東海道が出てきて、
桜エビのことも触れてくれましたし、
駿府の描写で今もある大工町やら七間町が出てきた記憶が。
そう言う地名を見るとたちまち自分が主人公のような錯覚が。
まあ、静岡は田舎なので滅多に小説に登場したりしないのですが。
そう言う楽しみもほんの少しあるのが読書です。
さて、今年の目標である年間読書150冊。
228冊目です(今年298日目)
「宿場魂 品川人情串1本差し」倉坂鬼一郎
勝手に評価10点満点中6点
元八丁堀同心の川路波之進は、品川宿の外れで妹の志乃と串の見世を開いている。浜の無事を守る救け組の面々や臨時廻りの跡部、油問屋の隠居ら常連に支えられ、見世は連日大繁盛だ。ある日波之進は救け組の元太と、身投げした娘を助ける。聞くと、兄が黒夜叉という悪党の仲間になってしまったという。どうも黒夜叉は、波之進が同心を辞めるきっかけとなった敵の手下らしく…
さて、今年の目標である年間読書150冊。
229冊目です(今年298日目)
「街道の味 品川人情串1本差し」倉坂鬼一郎
勝手に評価10点満点中6点
わけあって八丁堀同心を辞めた川路波之進は、妹の志乃と品川で串の見世「はし」を営んでいる。江戸界隈を荒らし回る盗賊の噂を聞いた矢先、三田台町の問屋に押し込みが入った。一族郎党の命が奪われる悲惨な事件だった。跡取り息子の新助は、他の見世で修業していたため難を逃れたが、失意のあまり海に入ったところを救け組に救われる。新助の境遇に己の過去を重ねた波之進は、盗賊たちの尻尾を掴むために立ち上がるが…。元八丁堀同心の料理人が捌くのは、味良き料理と市井を荒らす悪党ども。