オムイ外伝 第六部(驚天動地篇) 第14話 |
![]() |
抜け忍オムイは、病んでいた……。 |
![]() |
眼の病である。 |
![]() |
右の眼から、粘りけのある涙が出てしまうのだ。
|
![]() |
「おい、オムイ! 具合はどうだ? 大事ないか?」 |
![]() |
「むッ!? 追忍かッ!」 |
![]() |
「まあ落ち着け。武士の情けで、薬を持って来たのだ」 |
![]() |
「薬だと……?」 |
![]() |
「これだよ。眼軟膏だ。さあ、さっそく使うがいい」 |
![]() |
「か、かたじけない……」 ぬりぬり |
![]() |
「……うむ、効きそうだ。礼を言うぞ!」 |
![]() |
「な~に。敵に塩を送るというやつさ。礼には及ばん」 |
![]() |
「いやいや……恩には、恩をもって報いたい」 |
![]() |
「そうだ! 礼として、秘伝の忍薬をお前にやろう」 |
![]() |
「秘伝の忍薬……?」 |
![]() |
「これだ! 美男子になれる薬だ!」 |
![]() |
「な、何ッ!? 美男子になれるとなッ!?」 がばっ |
![]() |
「さ、この薬を、顔に塗るがいい」 |
![]() |
「か、かたじけないッ……!」 ぬりぬり |
![]() |
だがこれは、オムイの非情なワナだった……。 「ぐはッ!」 |
![]() |
「ふッふッふ。効いてきたようだな……」 |
![]() |
「うわッ! か、顔が!」 ぶるぶるぶるぶる |
![]() |
「その薬を塗ると、顔が崩れてしまうのだ!」 |
![]() |
「ぐはあああーーーッ」 |
美女になれる薬もあるぞ……
追忍もまだ若かった……140勝2敗です。