オムイ外伝 第六部(驚天動地篇) 第11話 |
やれやれ、毎日暑いなあ | |
こう暑いと、頭がぼーっとなって、バカなことを考えてしまうよ | |
例えば ―― | |
もしも、オムイの弱点が、足だったら ―― | |
足に触れるだけで、オムイを倒せるとしたら ―― | |
もしそうなら、ちょいと尻尾でも載っけてやれば ―― | |
「……はッ!?」 | |
「し、しまッた! 弱点をやられた!」 | |
「ぐはーーーッ!」 | |
ガクッ | |
な~んてな! うふふふふ! | |
……ふっ | |
おむさん四郎 第4話 |
若き柔道家、おむ さん四郎 ―― 。 | |
宿敵、おかか源之助 ―― 。 | |
二人は今日も、命を懸けて闘うのだ! 「ゆくぞっ!」 |
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そして、さん四郎を見守る美少女、もらい乙美 ―― 。 「がんばって、さん四郎さん……」 |
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側面から突っ込んでくる源之助を ―― | |
さん四郎は、必殺技「天地無用」で投げた。 「とうっ」 ビシュッ |
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ドサーッ 「ぐはあっ」 |
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「決まった!」 | |
「う、うううう……」 | |
「参ったか!」 | |
「な、なんのこれしき……」 むくり |
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「喰らえーっ!」 今度は源之助が、一本背負いで投げた。 |
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ドサッ さん四郎は、かろうじて受け身をとったが ―― |
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下がコンクリだったので、ダメージが大きかった。 「ぐはーーーーっ!!」 |
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ガクッ | |
「ああっ!? さん四郎さん!」 | |
「ううう……もうだめだ……」 この時点で、さん四郎の敗北は決定的となった。しかし ―― |
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「さん四郎さんっ、負けないで!」 「あっ、来てくれたのかい、乙美さん!」 |
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「お、おい! 試合中だぞ! 何をやっとるか!」 | |
「さん四郎さんはきっと勝つわ! わたし、信じてる」 | |
「乙美さん……」 |
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「こらーっ! 二人だけの世界に浸るな!」 | |
ちゅっ ちゅっ | |
「あ~、もう! やってられないよ!」 | |
「くそ~っ!」 源之助が戦意喪失したので、さん四郎の勝ちとなった ―― 。 |