燈籠流し幻想

2011年08月16日 18時23分37秒 | B地点 おかか

 

 

私は川を見ていた
カモが九羽、川面を下っていった
うち一羽は親で、他の八羽は、今年生まれた子ガモなのだ

だが、もう親と見分けがつかない程に大きくなった
ここで新しく生まれ育つ命がある

その一方で、消えてゆく命もある

ミケコさん ―― 2008年01月24日没


(撮影、2007年12月26日/参照、「恐らく」

ナクちゃん ―― 2008年05月16日没


(撮影、2008年05月14日/参照、「椿の精」

ピアスちゃん ―― 2010年03月04日没


(撮影、2010年02月24日/参照、「最後の晩」

共に過ごした仲間たちの死に思いを馳せたのには、訳がある

そう、今日は、燈籠流しが行われるのだ


(※参照、「流燈」

日が暮れてきた

そろそろ出掛けよう
私は燈籠流しを見にいった
水辺は人でいっぱいだ

カモたちが下っていった川面を、今、燈籠が流れてゆく
その時、私は、目を疑った

群衆の中に、猫の後ろ姿が見えたのだ
誰かが、猫を肩にでも載せているのだろうか?

単なる見間違いか?

それとも……

猫の姿は、一瞬で消えてしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 


汚れなき冗談

2011年08月16日 17時44分05秒 | B地点 おむ

 

 

茶色の汚れが付いちゃった……

「お、おい! 出血したのか!?」
「いえ、血じゃありません。ただの汚れです」
「でも、こすっても取れないんですよ……」

ごしごし
「よ~し。私が拭いてやろう」
というわけで、おかか先生が汚れを拭き取ってくれた。
おかげさまで、だいぶ綺麗になった。
「先生、ありがとうございます」
「うむ。よかったな」
「先生の顔も、よく拭かないと」
「ん? 私の顔にも、何か付いてるか?」
「付いてますよ、茶色の汚れが」
「べっとりと」
「これは生まれつきの模様だ~っ!」
「うふふっ。冗談ですよ、冗談」