愛しき情報

2011年08月21日 17時47分50秒 | B地点 おむ

 

 

名探偵ホおむズ 事件簿034

 
名探偵ホおむズは、女嫌いのカタブツである ―― と思われている。

しかし実際には、人を深く愛することができる。
ホおむズを翻弄する謎の美女、アイリーン・アドラー。

蓮っ葉な女だと思われているが ―― 実は、純な心を持っている。
「ね、ホおむズさん。耳よりな情報を教えてあげるわ」
「何? 耳よりな情報だと?」
「またガセネタじゃないだろうな?」

「とんでもない。もの凄く貴重な情報なのよ」
「大きな声じゃ言えないわ。ちょっと耳を貸して」

「よかろう」
「いいこと? 言うわよ? 今から言うわよ?」

「勿体ぶらずに早く言えっ」
「あ・い・し・て・る!」

ちゅっ
「わわ~っ!?」
「ふ、ふざけるなっ」

「あら、ふざけてなんかいないわ」
「とっても貴重な情報でしょ?」

「い、いやその、何と言うか……」
「ねえホおむズさん、素直になって」

「や、やめろ」
「恋愛なんぞに興味はない! とっとと消えろ!」

「そ、そんな……」
「……」
「……」
しょんぼり
「……」
「おい、アイリーン」
「な、何よ……」
「情報の続きを聞かせてくれ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


そっくりな彼

2011年08月21日 17時13分04秒 | B地点 その他

 

 

この日、見慣れない猫がやってきた。
いわゆるキジトラである。
つーちゃんかと思ったが……
つーちゃんは今、ボラさんのおかげで保護され中の筈である。

あらためてボラさんに照会したところ、
つーちゃんはやはり保護され中であった。

従って、これはつーちゃんではあり得ない。
どうやら、「つーちゃん似」と呼ばれている猫らしい。
もしかしたらここに既に登場している……のかもしれない。

愛称は、「似君(にくん)」である(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


水の魅力

2011年08月21日 16時28分28秒 | B地点 おかか

 

 

「雨は上がったけど、そこらじゅう水びたし」
「じめじめしてて、気分が悪いよ」
「座ればお尻が濡れるし。早く晴れないかなあ」
「おいおい。湿っぽい日には、湿っぽい日の良さがあるのだよ」
「水の魅力と言い換えてもいい。今からそれを教えてやろう」

「水の魅力、ですか……?」
「例えば、この草を見てみろ」
「無数の水滴が付いている。なんとも美しい」
「妖しい魅力だ。じっと見ていると、引き込まれそうだ……」
「水たまりにも、不思議な魅力がある」
「空が映っている。空に飛び込むことができるような気がする……」
「そのつもりで見ると、川面にも空が映っている」
「な? なんだか飛び込みたくなってくるだろ……?」
「ふっふっふ……」
「あっ、先生!? 飛び込んじゃだめです!」
「ふふふ。水を飲んだだけだよ」
「し、失礼しました……」