涙が止まったら涙が出た

 

 

	湿っぽいお天気が、もう四日も続いている。
	そのせいか、おむさんが少し体調を崩したようだ。
	普段は、眼がとても綺麗なおむさんなのだが…… この日は、粘りけのある涙を流していた。
	「おむさん、大丈夫でしょうか？」 「う～む。気になるなあ」
	「以前にも、あの症状がありましたよね？」 「そうなんだ。ぶり返したのかな？　心配だよ」 （※参照、「いいものあげる」 ／ 「涙の記録」）
	「おい、大丈夫かい？」
	「ご心配かけてすみません。そのうち治りますよ……」
	「いやいや、すぐに薬を付けたほうがいいぞ」 「でも、薬なんて持ってませんよ」
	「私の眼軟膏を、お前にやろう」
	「ええっ、先生のお薬を！？　僕が使っていいんですか？」
	「いいとも。さあ、すぐに付けなさい」
	「あ、ありがとうございます……！」 おむさんは早速、眼に軟膏を入れたのだった。 ぬりぬり
	「……どうだ？　効きそうか？」
	「効きました！　涙が止まりました！」
	「えっ、もう！？　そりゃ良かったな！」
	「ありがとう先生！　嬉し涙が止まりません！」
	ずこー