幸福論 完結篇

2010年05月07日 15時53分52秒 | B地点 おむ

 

おかか先生は、さっきからずっと、四つ葉のクローバーを頭に載せている。
しかし、何時間経っても、さっぱり幸福がやって来ないのだ。

「ああ……もう疲れたよ……」
「これは、かえって不幸の元かもしれんなあ」
「可哀想な、おかか先生……」
「よし! じゃあ僕が、先生の代わりを務めますよ」
「私の代わりを?」
「先生に、幸福が来ますように……」
「いい奴だなあ……」

←幸福

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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幸福論 第二部

2010年05月07日 15時53分42秒 | B地点 おかか

 

「ねえ、おかか先生。歌川国芳って誰ですか?」
「ん? 江戸時代の浮世絵師だろ?」
「カメラのお兄さんが、企画展を見てきたそうですよ」
「猫もがんばってるだ? 当たり前じゃないか!」
「私だって、必死でがんばってるんだぞっ!」
「……何をがんばってるんですか?」
「幸福が来るのを、ただひたすら待っているのだ!」
「努力が報われるといいですねえ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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幸福論

2010年05月07日 15時49分45秒 | B地点 おかか

 

「ああっ!? おい、見ろっ!」
「四つ葉のクローバーだ!」
「やったあ! はっはっは~っ!」
「幸福がやって来るぞ!」

わくわく
―― 2時間経過

「早く幸福が来ないかな~」
―― 4時間経過

「……おい。さっぱり幸福にならないぞ」
「ふふっ。見付けた時、幸福になったでしょ?」
「そ、そりゃそうだが……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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幸福論 番外篇

2010年05月07日 15時46分06秒 | B地点 おむ

 

* * *   G. H. 嬢に捧ぐ   * * *

四つ葉のクローバー

幸せの香り
おかか先生は大喜び
僕も、はしゃいでしまった
でも、摘み取られてしまうなんて、可哀想だ
四つ葉でなければ、仲間たちと一緒にいられたのに……
僕はなんだか急に淋しくなった

ぬくもりが欲しくなった

カメラのお兄さんの膝に乗ってしまった


※実話

四つ葉のクローバー

自分自身は、幸福なんだろうか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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