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声明とグレゴリオ聖歌

2005-10-17 22:15:51 | 音楽の話
錦秋の上野公園、その一角の「旧東京音楽学校奏楽堂」で行われた「声明とグレゴリオ聖歌の融和」と題されたコンサートに行って来た。天台宗の僧侶による声明とプラハ・グレゴリオ聖歌隊の歌うグレゴリオ聖歌のコラボって一体…???会場の「旧東京音楽学校奏楽堂」は鹿鳴館のようなレトロさがたまらない素敵な空間。ここに足を踏み入れただけで、心ワクワクだ。ステージ上には年代物のパイプオルガン、くすんだ紅の緞帳は何年ここで演者たちを見守ってきたのだろう?400人ほど入る客席は、ギューギューだ。

チェコから来て比叡山で修行をしているという青い目のお坊さんの解説に続き、声明が静かに流れ始め京都大原の僧侶たちが姿をあらわした。それが終わると、背後から優しい歌声が流れてくる。チェコから来たグレゴリオ聖歌隊。客席を通って舞台上に並んだ姿を見ると、ここが日本ではないような錯覚に陥る。交互に歌が繰り返される。天から真綿が降ってくるような優しい響きのグレゴリオ聖歌に対して、鋭い光が矢のように放たれる声明…、感じは違うもののどちらも心地よく響いてくる。…ので、あまりの気持ちよさに途中で一瞬意識が薄くなった(0^; これが1/fの揺らぎだろうか?まさかとは思ったが、最後は両方が同時に歌う。この違和感の無さは何だろう?コンサートという形ではあるが、祈りの気持ちを起こさせてくれる。

1時間半の講演が終わり、ボーッとしながら階段を下りる。チョコレート色の窓枠からは、ライトに照らされた黄葉が輝いているのが見える。何とも不思議な感覚を味わった秋の宵。外に出たら雨、これもまた気持ちいいと思えるのだった。