12月15日~17日で自民党県議団の県外視察として、秋田県と青森県に来ています。
今回は四国・九州班と2班に別れての視察となり、東北班は私が一番期数が若く、長老いわゆる県議団の顧問クラスばかりと同行しました。
私の目的は、秋田県にある国際教養大学を視察に行くことでありました。
秋田空港から10分程で同大学に着き、2時間半しっかり視察を行いました。
この大学は、ミネソタ州立大学機構秋田校の施設を利用し、国際系の単科大学として、2004年4月に開校しました。
ミネソタ州立大学は、中曽根康弘元首相とレーガン元大統領との間で交わされた「日米構造機構」の一環としての日本市場開放への方向性にもかかわらず、制度に関する細部の詰めが不十分で、文部科学省が大学には認めないことから(専修学校の位置付け)、学生が集まらず2003年に閉校をしました。
その当時、秋田県としては将来の発展に国際化対応が必要という考え方があり、また同時に秋田県には国際系・社会科学系の学部を持つ大学がなく、ミネソタ州立大学秋田校の有効利用をする意見と合致し、県議会の反対もありましたが開校に至りました。
授業は全て英語で行い、1年生の1年間は全ての学生が寮生活をし、2人部屋でルームメイトは必ず留学生と決まっています。(写真)入学するとテストの結果で能力別にクラス編成され、英語集中プログラム、基盤教育で英語付けになると、ほとんどの学生が国際問題まで議論できるほどの語学力が付き、引き続き第2外国語を学んで行くようです。
そして、2年の冬から3年の秋に全学生が約1年間留学をします。
35の国と地域の118大学と提携をして選択肢も多く、同大学の授業料69万円で留学できるのは大変お得で、総単位124の内、約30単位を留学先で取得します。
就職率はほぼ100%で全国的にもトップクラスにランキングされ、大手企業がガイダンスを行うため学校へ訪れるのには驚きました。(写真)
また、施設は秋田杉を多く使った木の香る校舎で、特に図書館は365日24時間利用可能で、一般にも開放しています。(写真)
初期投資10億円、寮10億円、図書館9億円、講義棟・多目的ホール16億円をかけ、年間経費は19億円(その内県費11億円)であります。
長野県出身者18人、入学金42万3000円、授業料69万6000円であります。
学長は、松本市出身、元東京外国語大学学長、中島嶺雄氏で、同郷の好みで、親しく説明をいただき、夜の懇親会までお付き合い賜りました。
これから、長野県立短大の4年制化の具体的なことについて本格的に議論になりますが、中島学長はアドバイザーとして依頼されているようであります。
中島学長は、同大学の倍率が20倍を超えているので需要がある現状から、国際系の単科大学の必要性を述べていました。
言うなればれば、専門知識を重要視する現代において、総合大学の必要性は終焉を迎え、単科大学のような専門性を伸ばす大学の必要性が重要視されるということではないでしょうか。
しかし、同大学のように、就職率が高いがほとんどが県外で、県内出身者が16%と県内定住という点では貢献はしておらず、県立大学であるならば、若者の定住について担うことが大事と考えます。
県議会で、県立短大の4年制化を考える検討委員会を2月県議会には立ち上げ、執行部側の検討委員会と同時に開催していくので、私も必ず委員として参画して、今回の視察を参考に議論していきます。