マルコはオリンピアと共にオリンピアの故郷ローマに来ていた。オリンピアの紹介で出会った若きアレッサンドロ・ファルネーゼ枢機卿や、かのミケランジェロ、ローマの史跡に詳しいエンツォ老人らと共にのんびりと時を過ごす。そしてダンドロを捨て、オリンピアと結婚し、ローマで史学の道に進む決心をする。ヴェネツィア出身のかつての上司ガスパル・コンタリーニ枢機卿とも会う。だが、裏ではピエロ・ルイジ・ファルネーゼや密かにマルコをつける存在など、不穏さはあった。そしてプレヴェザ海戦でのヴェネツィアの敗戦を機に一気に話は動き出す。
階段島第5弾!この本の第1章が終わった時点で七草が階段島から消える。え、まさかって感じのストーリー展開は読者をどんどん夢中にさせる。いやあ、面白いねえ。その後は、現実側の七草や真辺の話が中心になり。また階段島に七草は戻ってくる。一方、先代魔女の過去が語られ、先代魔女が魔女に戻って、元魔女と先代魔女と新魔女候補と嫌がらせ魔女が七草を伴って対決するのです。まあとにかく次巻が最後です。楽しみです。
キューバの老いた漁師と魚と海。長い不漁にもめげず沖に出た老人の網にとてつもなく大きな魚がかかり数日にもおよぶ格闘の末なんとか勝利する。だが、港に戻る途中で次々に鮫に襲われて結局すべて食べられてしまう。ハッピーエンド好きな私としては悲しい。最後、テラス軒の給仕と旅行者の会話、どういう意味なのか。すべて老人の見た夢だと考えもあるようですが、作中では明かされていないので、読者がそれぞれの考えを持って良いはずです。きっと、老人はまた漁に出て今度こそ鮫にも勝利し、さらにその後、再び少年とも一緒に漁ができたのだと。
なんだかのんびりとした感じの彼と彼女。彼女を密かに思う彼。2つのパートを交互に繰り返しながら12ヶ月が語られる感じの話。
彼と彼女のパートは読んでいてなんか楽しい。彼だけのパートはなんか暗い感じ。結局どういうことなのでしょうか。オチはよく分からなかった。
階段島シリーズ第4弾。安達が入ってきてごちゃごちゃになる様が描かれる…かと思いきや、それだけではない。七草と堀の過去が明かされ、捨てた彼についても語られ、真辺との関係は進展したような、壊れたような感じになる。もう、安達は起爆剤でしかなく、結局は七草がどちらを選ぶのかという話だという気がする。ところで猫は時々登場するだけの脇役だが、この後、どう絡んでくるのでしょうか。
森博嗣さんのフォトエッセイ。議論の余地と同じ感じの作品だ。議論の余地のときにも思ったのだが、作品の中にこれほど多くに意味深げな言葉が入っていたという感覚はなかったのにびっくりだ。おそらく、作品を読むときは、それが常態化しているため特に珍しさも感じなくなっているのだろう。でも、なんだか、そればかり集めると少し違った印象になるのですね。
「得をする、損をする、成功する、失敗する、いずれも、本人の評価だ。
しかし本人の評価が最も重要である。他のものは、すべてゴミだと思っても
「ラジオの似合う夜」はハードボイルドな感じで、時期はよく分からないが、Vシリーズのあの方が主人公。「コシジくんのこと」は子供の頃の思い出と夢の話。「砂の街」はなんかもうわけわからん感じのコミカルストーリー(?)。そして「刀之津診療所の怪」はGシリーズの人たちが登場してなぞ解きを楽しもうとしてますが、Gシリーズよりも前の話になるのでしょうか。もう最後の一言で森ファンは大盛り上がり間違いないですね。ぶるぶるしちゃいます。「ライ麦畑で増幅して」は面白いがよくわからない。その他の話はもっと分からなかった。
久しぶりに伝説シリーズの続きを読んだ。まあ、正直言ってこれまでの話や登場人物たちを忘れてしまっていましたが、思い出すような必要性も感じなかったので、まあ良いです。
この第9弾では、消毒を絶った空々空たちはいったんおいて、地球に残った杵槻鋼矢や人造人間の人格となった花屋瀟、人間王国に潜入した手袋鵬喜らの活躍が描かれる。でも、なんだか活躍しきらないうちに終わってしまった。まあ、きっと次の最終巻でいろいろと繋がるのでしょう。
なんとも自虐的なタイトルだが、まあ、まさにちょっと厭な気分になる話が7つの連作となった作品。2つ目の「厭な老人」で深谷が登場したあたりから、連作であることがなんとなく仄めかされているが、6つ目の「厭な家」でほぼ明示される。まあ、明示されたって厭な気分は消えないが…。そして最後の「厭な小説」はなんとなく思った通りの感じだった。最も厭だと感じたのは5つ目の「厭な彼女」。もう本当に厭で怖い。
あのコンスタンチノープルでの大冒険の後、マルコ・ダンドロは公職を解かれ、ぶらりとフィレンツェにいく。そこで知り合った「半月館」の主人を助けるあたりまでマルコが主人公で最高潮に盛り上がる。しかし、その後の展開はロレンティーノの視点に変わり、主人公の座を奪われていく感じだった。しかし、とてつもなく面白かった。物語中盤あたり、ヴェットーリが登場し、マキアヴェッリの話になったりするあたりは「わが友〜」を読んでいる塩野ファンとしては楽しくて仕方なかった。