ミステリを読むからといって推理をするわけではない。ただ、騙されることを楽しむのだ。ただ今回は、なんとなく保呂草が怪しいとは思っていた。この保呂草はどっちなんだろうっていう感じ。誰が人形で何が本物のモナリザなのか。いや、まあ、結局よく分からなかったんだけど、次も楽しみです。
上巻に続いてユリアヌスを主人公にした話となる。正帝となったユリアヌスはキリスト教の優遇を廃し、全ての宗教を同等に扱う世界に戻そうとする。しかし、偶然に飛んできた槍で命を落とす。わずか19ヵ月の治世だったという。
塩野さんのこの巻の締めくくりは、もしこれが19ヵ月ではなく19年であったなら、キリスト教中心のローマ帝国も元の世界に戻っていたかもしれないというもの。明言せずとも読者はみな同じ考えに至るだろう。そして、ユリアヌスは古代では唯一人、一神教のもたらす弊害に気づいていた人だろうというのである。
この本がVシリーズの1作目であることを知っていて読んでいるので、4人の主人公が次回からも登場するであろうことを予期しながら読んでいるのです。まさかそのうちの一人が犯人だなんて普通思わないですよね。
森博嗣の描く主人公や犯人はたいていは天才のようです。この後主人公たちがどのように成長していくのか楽しみですね。
今日もどこかでだれかとだれかが出会い、別れ、再会している。そんな感じの話たち。
「初心者歓迎、経験いっさい不問」は東日本大震災で街を失った人の話。とても感動しました。
正帝コンスタンティウスの治世が語られるが主人公はもう副帝のユリアヌスって感じ。もともとはただの哲学好きの学徒でしかなかったにもかかわらず、副帝の任務を一つ一つ成し遂げていき、軍団にも民衆にも支持されるようになってくる。そして正帝のコンスタンティウスは疑い深い性格とのこと。よく知らないのだが、なんかよくない方向に話が進んでいきそうな気がします。
ロオヌの秘薬が意外な人に対して使われた。そしてそのあと大陸の異変の予兆ともとれる地震が起こる。カリスウェンとティーエの悲しみが起こした地震なんじゃないかと疑ってしまう。もしかしたらこの先の大陸の危機もティーエの心の揺れが関わってくるんじゃないか?なんて、そんなオチはさすがにないか。